"Bareilly Ki Barfi"。


アシュヴィニー・アイヤル・ティワーリー 監督、2017年、インド

タイトルにある「バレイリーBareilly」は、Uttar Pradesh(ウッタール・プラデーシュ)州にある地名の名前。タージマハールのあるアグラも同じ州といわれると、「ああ、なかなかの地方都市なんだな」という印象を持つ。
主人公はビッティという魅力的な女性。電力会社で働いていて、ダンスが好き、タバコも好きな女の子だ。親は娘がいち早く結婚してくれることを願っているが、お見合い相手や出会う男性はみんな保守的で、奔放な彼女のことは結婚相手に選ぼうともしない。彼女も、ありのままの彼女を理解してくれる相手を望んでいる。

そんなある日。家出して一人旅をしようと思って駅に出た彼女は、駅のホームの本屋で"Bareilly Ki Barfi"(バレーリーのバルフィ)という本を強く勧められて買う。この本の主人公バレーリーは、まさに自分とそっくりな奔放な女性だったことに感動したビッティは、本の作者であるプリタムに逢いたいと、印刷所に行く。

実はこの本、印刷所経営者のチラーグが、当時付き合っていたバルフィを想って書いて自費出版した本だったのだが、事情があって、気弱な友達プリタムを代わりに作者に仕立て上げたもの。ビッティから相談を受けたチラーグは、この事実をビッティに告げることができず、ある計画をするのだった…。

プリタムを演じているラジクマール・ラオ以外の俳優さんは知らなかったのだが、チラーグを演じているアーユシュマーン・クラーナーも有名は俳優さんのようだ。でも、このチラーグと、お供の男のプリタムいじめがひどすぎて、途中ちょっと観るのがつらかった。プリタムも途中映画の中で指摘していたのだが、自分の恋を全うするために取る手段がひどすぎるのだ。すでにプリタムを本の著者に仕立てることで、結果的にプリタムは街にいられなくなっているのに、さらにそこまでするか!?ということがたくさんあり、途中で怒りすらわいてきてしまった…(あまりこんな感想を持っている人は少ないのかな)。

最後は、まさかの結末なのだが…。気が弱い人ってあんな感じに扱われちゃうのだろうか。本当気の毒だ。ラジクマールの弱気キャラと、仕立てられた強気キャラ、さらにいじめられてどんどん強くなっていくキャラの変化は、演技力ある人じゃないと難しいだろう。さすが!

というわけで、途中はあまり好きじゃなかったのだけれども、結婚式のシーンがある映画は、華やかでいいね。