スティービー・ワンダーの名曲、"Isn't She Lovely"。初めてギターでの演奏を聴いたのは、ジミー・ローゼンバーグJimmy Rosenberg コンピレーションアルバム"Swinging with Jimmy"だった。Jon Larsenプロデュースによるアルバムだったので、てっきりJon Larsenとのデュオだとばかり思っていたのだが、今アルバムを確認したら、バビク・ラインハルトBabik ReinhardtにロマーヌRomaneとの共演だったことに驚いた。ジミーって本当にいろいろな大物と演奏してきているんだなぁ。1997年のレコーディングらしいのだが、これが非常に気に入って、かなり聴いていたのだった。
次にギター演奏で聴くことになったのが、シルヴァン・リュックSylvain Luc & ビレリ・ラグレーンBireli Lagreneのデュオアルバム"Duet"(1999年)にて。これまたすごくかっこよくて、よく聴いていたものだ。
なおビレリはこの曲をギターデュオに限らずいろいろな組み合わせで演奏しており、一時はこれを聴き比べるだけでお腹いっぱいになっていた。
その後しばらくこの曲のギター演奏には出会っていなかったのだが、最近、いくつかのギター演奏を発見したので、こちらにメモしておこうと思う。まずはヨショ・ステファンJoscho Stephan、ドイツをベースに活躍する、マヌーシュ・ジャズ・ギタリストだ。 アダム・ラファティAdam Raffertyという人のデュオ演奏を公開している。安定の名演奏。
アダム・ラファティが何者かを調べたところ、NY出身のギタリストで、マイケル・ジャクソンやスティービー・ワンダー等のポップス曲アレンジ演奏で知られる人物だとか。ソロでも動画を出していた。なるほど、Joschoのようなギターの名手なら、こういう人と共演したいと思うのだろう。
次はオーストラリア出身のギタリスト、トミー・エマニュエルTommy Emmanuel 演奏によるもの。オランダのジャズギタリスト、ヴィム・デン・ハーダーWim Den Herderとのデュオ演奏になっている。ヴィムのソロが激しい。二人ともノリノリで楽しそうだ。
そして、こちらもデュオ演奏。イギリスのフィンガースタイルプレイを得意とするギタリスト、トム・クウェイルTom Quayleとドイツのギタリスト、マーティン・ミラーMartin Millerによるものだ。若い感性の為せる技なのだろうか、アレンジもコードも神がかっている。
ギターによる"Isn't she lovely"との出会いがマヌーシュ・ジャズのものだったので、マヌーシュ・ジャズギタリストによるアレンジばかりを聴いてきたが、こうして色々なギタリストの演奏を聴き比べると、味わい深いものだ。そして名作はこうやって語り継がれていくのだなぁ。