アメリカのギタリスト、Frank Vignolaは車の事故から復帰するのか?

アメリカ、東海岸ロングアイランド生まれのギタリスト、フランク・ヴィニョーラFrank Vignolaは、あまりジャンルにこだわらないライブ活動を行ってきているが、マヌーシュ・ジャズの分野でも、演奏家として、また教育者としてなかなか良い仕事をしているため、この音楽が好きなら必ず名前を知ることになるだろう。そもそも23歳の頃には"Hot Club quintet"というバンドを結成していたというし、2010年のジャンゴ生誕100周年の年には、"100 years of Django"というアルバムもリリースしていた。
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さて、その彼は昨年5月にバギーで事故を起こして、昨年はほとんど活動ができなかったようだ。Wikiにはこのことが書いてあったが、彼が出演するはずだった Crested Butte Music Festivalの公式発表が一番信ぴょう性があるように思う。これによれば、フランクは事故によってGypsy Jazz Hot Club Dream Campで教えるのが難しくなったため、代打を立てますよ、ということだ。しかも、少なくとも新年までは静養するようなことまで書かれている。
crestedbuttemusicfestival.org

2018年2月には、ニューヨークのジャズクラブIridiumでのライブが入っているし、
Frank Vignola – The Iridium
ギターは弾いていないけれども、年末には自分のチャンネルに動画をアップしたりもしている。とりあえず回復はしているとみていいのだろうか。

こちらは、2016年のCrested Butte Music Festivalでジャムセッションにいそしむフランクの様子。ここで演奏している「熊蜂の飛行」なんて、みているだけで腱鞘炎になりそうなすごい技術が垣間見られる。一日もはやく復帰して、ファンに元気な姿をみせてほしいものだ。

仏領リユニオン島のマヌーシュ・ジャズ・トリオ、"Mano Gipsy Trio"

フランス語の授業を受けると、かなりはじめのほうでDOM-TOMという単語が出てくる。 これは、Départements et Territoires d'Outre-Mer、つまりフランスの海外領土、地理的に欧州の外にフランスが有している場所を指す。リユニオン島もこのDOM-TOMのひとつの海外領土であり、フランス領ながらインド洋にある島である。
この島でマヌーシュ・ジャズを演奏しているバンドを見つけた。"Mano Gipsy Trio"という名前で、県都であるサン・ドニのジャズクラブ、Caveau Rontonayでのライブ映像を見つけた。
ベースは、ユリック・ドゥラクヴェルリYouric Delacuvellerieと読むのだろうか。ずいぶんながい苗字の人だ。ギターの二人、マノエル・ニコラManoel Nicolasとナタリー・ラジャオナリソンNathalie Rajaonarisonは、歌も歌えるようだ。ここではブランサッスの"Le vent"をうたっている。

そして、ジャンゴの名曲"Rhyteme Futur"。

このグループは、20年もマヌーシュ・ジャズの分野で演奏活動を行ってきたリードギターのマノエルがジャンゴのレパートリー演奏をするために立ち上げたとか。このグループの前には、"koté manouche"というグループでギターとボーカルを担当していたらしい。地元テレビにも出演している映像があった。

"koté manouche"の芸風を"Mano Gipsy Trio"のそれと比較すると、もっとジャンゴ・ラインハルトやミュゼット寄りの音楽をやりたかったのかな、などと思ってしまう。昨年9月には、Romaneの息子で現在活躍しているギタリスト、リシャール・マネッティRichard Manettiを招いてMano Gipsy Trioとの共演も行ったとか。今日もリユニオン島でマヌーシュ・ジャズを盛り上げているんだろうな。

Django in June 2017. すでに今年のスケジュールも決定!

アメリカはニューイングランド初のジャンゴ・ラインハルトとその音楽を学んで愛でるイベント、それがこのDjango in Juneだ。マサチューセッツ州ノーザンプトンのスミスカレッジにおいて毎年行われている。ジプシージャズのワークショップDjango Camp、コンサート、ジャムセッション等、マヌーシュ・ジャズ好きにはたまらない多くのイベントが開催されている。2017年のライブの動画がアップされていた。スタンダードな耳障りのいい選曲で、聴いていて楽しい。


メンバーは、オランダ出身のバイオリニスト、ティム・クリフィスTim Kliphuis, モントリオール出身のギタリスト、デニス・チャンDenis Chang, パリ生まれのベテランギタリストで、フラメンコギターのキャリアもあるセルジュ・クリフSerge Krief、おなじみのベーシスト、ウィリアム・ブルナールWilliam Brunardが演奏している。このエチェキール・クリフEzeckiel Kriefだけわからないのだが、Sergeの息子か親族何かだろうか。

すでに2018年の開催日が発表されており、6月11-17日だとか。2017年より開催日が一日多い。なんでもワークショップの日を一日増やしたそうだ。それだけ好評なのだろうか。
Django In June

支那麺はしご、溜池山王店でだんだん麺!

ウン10年も前は、銀座の今はなき東芝ビルの地下1階にあったはしごの麺をよく食べに行ってきた。柚子の香りがきいていてとてもおいしいかったので。


本日、ふと時間はずれのランチタイムに思い立って、溜池山王支那麺はしごに行ってみた。久々のだんだん麺(要は担担麺)に、無料でごはんもつけて。スープに浸してこのごはんを食べるととてもおいしいのだ。麺の細さと硬さも好き。昔は柚子の皮が上にのっていた気がしたのだが、そういえば皮は見つからなかった。でも柚子の香りはほんのりしました。
炭水化物過多…今週どこかで調整しよう。


そういえば前も「はしご」のことを書いたよな…とあさってみたら、なんと谷中店は閉店になっていた…。いつの間に!
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パリのバーで行われた、Angelo Debarre Quartetのライブ映像

ベルリンの壁が崩れた1989年にはじまったラジオ番組« LÀ-BAS SI J’Y SUIS »は、紆余曲折を経て、今はウェブラジオや映像、記事等をオンラインで積極的に配信するようになった。この形態での運営をはじめたのが2015年1月とのことだが、現在30,000人が登録して番組を楽しんでいるという。
このラジオ局が、パリ20区のレストラン&バー、"Le Lieu-Dit"において行われた、アンジェロ・ドゥバールAngelo Debarreのクアルテットライブの様子を放映したようだ。
抜粋映像はこちら。

このライブの様子はこちらのサイトですべて聴くことができる。
la-bas.org

« LÀ-BAS SI J’Y SUIS »の動画チャンネルをみると、今のところは討論番組等が中心にアップロードされており、ライブ映像がコンテンツとして配信されているのがむじろ珍しい。せっかくパリに拠点があるのだから、もっとライブ映像をたくさん配信してほしいところだ。

もはやオリジナルスタイル。フランスのフェス、"JAZZ(s)RA"に出演したLes doigts de l'homme

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Les doigts de l'hommeレ・ドワ・ドゥ・ロム(LDDLH)は、Olivier Kikteffオリヴィエ・キクテフを中心に結成されたバンドで、ジャンゴ・ラインハルトが育て上げたマヌーシュ・ジャズのバンドに分類される。結成以来多くのフェスに参加している彼らの、昨年のHD映像を見つけた。この映像は、フランスのサンテチエンヌSaint-Étienneで2年おきに開催されているジャズイベント、JAZZ(s)RA の時に撮影された映像のようだ。2017年で2度目の開催だったらしい。

メンバーは、オリヴィエの他にギターのYannick ALCOCERヤニック・アルコセル、Benoit CONVERTブノワ・コンヴェール、ベースのTanguy BLUMタンギ・ブルム、それに2017年にリリースされたアルバムから参加しているアルジェリア出身パーカッショニストのNazim ALIOUCHEナジム・アリウシュの5名。ここでふと気が付くのだ。あれ、なんだかもうマヌーシュ・ジャズではない気がする。刻むリズムもちょっとひっかかりがあって、でもすごく気持ちいい。マヌーシュ・ジャズっぽくはないけれども、確かにLDDLHの音なんだよな…。これからどう進化していくのか、すごく楽しみだ。
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ジャズイベントは、5日間にわたって行われ、160人以上ミュージシャン50以上のライブが行われるという。地元音楽学校(コンセルヴァトワール)の生徒たちもライブの機会が与えられているのは、生徒の将来にとってすごく良いと思った。このフェスに出演した生徒たちから、将来の大物が登場するかもしれない。

フランスの歴史あるジャズフェスティバル、" Nancy Jazz Pulsations 2017"のマヌーシュ・ジャズナイトはたったの30ユーロ。

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フランスのドイツ国境サイドにあるロレーヌ地方ナンシーにて1973年よりその時代のジャズシーンを常に紹介し続けているジャズフェスがある。Nancy Jazz Pulsations(NJP) 。10日ばかりあるフェス期間に、街の中の7会場において若手中心に多くのミュージシャンが演奏をする。若手と、地元出身者が多い印象だが、パリで活躍しているようなミュージシャンの名前もちらほら。
我らがマヌーシュ・ジャズの出演者は、とびきりの大物ぞろいでびっくりした。ビレリ率いるGypsy Project(Biréli Lagrène / Franck Wolf/ Hono Winterstein / Diego Imbert )というメンバーがすでに豪華ななのだが、同日の別ライブで、DJANGO MEMORIESという名前のもと、Stochelo Rosenberg / Hono Winterstein / Adrien Moignard / Rocky Gresset / Alexandre Cavalière / Adrien Moignard / Rocky Gresset がユニットを組んで登場しているのだ。Biréli Lagrène Gipsy Project + Django Memories - Nancy Jazz Pulsations

DJANGO MEMORIESの演奏風景は動画でも記録されている。これはすごい!

2018年は、⒑月10日~20日の開催がすでに決定している。しかも、45周年の記念すべきタイミングだ。どんな出演者が出てくるのか、とっても楽しみ!