Exhibition

生誕110周年 片岡珠子展@国立近代美術館

2008年に103歳で逝去するまで描き続けたという画家、片岡珠子氏の展覧会。ポスターなどのせいもあって、ビビッドな作品を展開しているイメージだったが、初期の頃はごくごく上手な日本画といった感じだ。落選の神様、と呼ばれていた時代もあったそうだが、描…

生誕300年 同い年の天才絵師 若冲と蕪村@サントリー美術館

そもそも、伊藤若冲と与謝蕪村が同じ年であることも知らなかった…。1716年生まれの二人は、それぞれ京都、大阪で生まれ、40~50歳くらいに自分たちのスタイルを確立、晩年までよりダイナミックな画風で描き続けた。 若冲の「筋目描き」という、筆毛の筋の束…

金沢21世紀美術館 3.11以後の建築/ジャパン・アーキテクツ1945-2010

妹島和世+西沢立衛/SANAAの設計によるこの美術館、念願かなってやっと行くことができた。北陸新幹線が開通したら絶対にもっと混雑するはずの場所だ。 3.11以後の建築の方は、仮設住宅や避難所の新しい形が垣間見えるもの。コミュニティマネジメントに踏み込…

身体のやわらかい人像のヒミツ

昨年国立近代博物館に行った際に、美術館正面に見つけた不思議な像。「へえ、柔軟性のある人だな」と思っていたが、これがマーク・クインMark Quinnという人の作品Myth(Sphinx)であることを知った。「現代美術のハードコアはじつは世界の宝である展」で展示…

菱田春草展@国立近代美術館

菱田春草生誕140年ということで、大回顧展に行ってきた。36歳には亡くなっているのだが、学生時代から亡くなるまでに描いた作品のうち、4点も重要文化財に指定されているらしい。今回その4点すべてを鑑賞することができた。 はじめは線描、つまり縁取りがあ…

ジャック・ドゥミ 映画/音楽の魅惑@東京国立近代フィルムセンター Le monde enchante de Jacques Demy

やっとこの展示会を観ることができた。ナント生まれの映画監督、ジャック・ドゥミに焦点を当てた展覧会。ドウミの作品を5つに分けて紹介するというものだった。パネル展示よりもやはりドゥミ作品のダイジェスト映像に見入ってしまう。ドキュメンタリーの助監…

オペラシティ謎の立像

写真だけではつたわりにくいこの立像。実は口をもぐもぐし続けている。夜遅くなるとその動きは止まってしまうみたいなのだけれども。はじめは何かを咀嚼しているのかと思ったのだけれど、ふと気が付いた。もしかして…オペラを歌っているのかな? オペラシテ…

Céleste Boursier-Mougenot の"Clinamen"

今更なのだが、日曜美術館「アートと音楽」の2年ほど前の放送を観ている。坂本龍一さんと日比野克彦さんが、「アートと音楽~新たな共感覚をもとめて」@東京都現代美術館の展示を観ながら語り合うという番組だ。 ジョン・ケージの「4分33秒」という代表的な…

【沖縄4days】‬Hommage of Alexander Calder by Toshiro Sumi@MB Galarie

沖縄は恩納村のホテルムーンビーチにあるギャラリーにて、モビールの展覧会があった。モビールはアメリカの彫刻家であるアレクサンダー・カルダーAlexander Calderが始めた芸術だが、マルセル・デュシャンMarcel Duchampが「動く彫刻」を表現するために考案…

上野照文 阿波踊り写真展「阿波の 煌めき」

これは2009年に徳島県に行った時のものかしら。徳島県徳島市ご出身の写真家、上野照文氏Fotoarte GUZZIの写真展でいただいた、ウチワを見つけた。 「阿波踊りってこんなにフォトジェニックなものなんだ!」と目からうろこだったことを覚えている。道理で阿波…

アンドレアス・グルスキー展@新国立美術館

Andreas Gurskyアンドレアス・グルスキー は、ドイツの現代写真家。その写真展が素晴らしいというので、会期最終日前の台風の中赴いた。 色々な意味で圧巻。デジタル技術による加工なども含まれているが、連続模様が織りなす風景は、この世のものなのに現実…

小林紀晴写真展「素と源流」@小海町高原美術館

小海町高原美術館にて、小林紀晴(きせい)さんの写真展「素と源流」をみた。この型、長野県茅野市の出身なのね。アジアに暮らす日本人の姿をとらえた「Asian Japanese」シリーズは、私も知っているくらいだから、それだけ話題をさらった写真集なのだろう。 …

Marina Abramovićが気になる

旧ユーゴスラビア出身のパフォーマンス・アーティストであるマリーナ・アブラモヴィッチのことをある美術館のDVD販売コーナーで知った。"The artist is present"と題された彼女の芸術~MOMAのオーディトリアムにて、3カ月、一日7時間もの間話もせずにひたす…

東京国立博物館140周年 特別展「ボストン美術館 日本美術の至宝」

フェノロサやら岡倉天心が収集した美術品をはじめ、さまざまな日本美術を収集しているボストン美術館。「海の向こうの正倉院」なんてうまいこと表現したものだと思う。曽我蕭白の作品を目当てに出かけていったら、仏像や絵巻に刀に着物と、豪華な日本美術品…

プラド美術館所蔵 ゴヤ 〜光と影@国立西洋美術館

久々に上野に出向いた。晴れた日に行けるとなおよかったのだが。 プラドには大昔行ったことがあるが、その時は裸と着衣のマハが隣同士に展示されていたような記憶がある。今回着衣バージョンが日本にあるので、この期間プラドにいった人は、ガッカリするかも…

ユビュ 知られざるルオーの素顔@パナソニック電工汐留ミュージアム

Georges Rouault(ジョルジュ・ルオー)。たぶん日本では人気で、私も何度も観た気がする。ただし、画風はキリストだったりピエロだったりという印象があった。こんな感じ。 だから、今回の展示のポスターをみた時はびっくりした。だって画風がまったく違う…

佐伯祐三展〜下落合の風景〜@新宿歴史博物館

1898年大阪府生まれの画家・佐伯祐三の展覧会に行った。この展覧会は、このたび下落合にできた「佐伯祐三アトリエ記念館」のオープンを記念したもので、パリの絵の印象が強い佐伯による、下落合の風景が展示されていたのが特徴だ。佐伯祐三氏のことはあまり…

歌川国芳 奇と笑いの木版画 @府中市美術館

江戸後期の浮世絵画家、歌川国芳の作品を、彼がデビューした19歳頃の作品から円熟期までをみるという、豪華な企画展に行った。なんでも一個人の所蔵品を一挙公開とかで、前期・後期で違う作品が見られるらしい。国芳ってだまし絵と春画というイメージがあっ…

ジュリアン・オピー展@SCAI THE BATHHOUSE(谷中)

ジュリアン・オピーってなんだそりゃ、と思う人も多いようだが、Blurのアルバムジャケットをデザインした人だ、と説明すると、ああ、と思いあたる人もいるかもしれない。 私は、この人の作品が大好きで、昨年だか一昨年に茨城県の水戸芸術館で行われた、ジュ…

瀧野薫 個展「私の庭」-KAORU TAKINO Exhibiition "My Garden".

銀座の井上画廊にて行われている、瀧野薫氏の個展に行ってきた。彼女と再会するのは、25年ぶりくらいか、いや、もっとか? もはや、具体的に遊んだ思い出や風景はぼんやり思い出せるが、本人の面影は忘れているくらい会っていなかったのは確かだ。そんな、子…