告白(湊かなえ、著)

告白

告白


せっかくのお休みだったのに、なぜかこの本を読むのに集中してしまった。一度読み始めたら最後まで読まないと気が済まないくらい面白い本だ。
タイトルどおり、この本は登場人物の告白で成り立っている。
おもしろいところは、3点あった。ひとつは、この本の上で起こっている小さな事件群は、すべて現実社会で起きている事件に酷似していること。二つ目は、一見関係のなさそうな各人の告白が、実は一本の線上にあり、複雑に絡み合っているということ。さらに、この各人の告白にそれぞれちょっぴりとウソめいたものが挿入されているところだ。
ある瞬間における人の気持ちなんて、本当のところはだれにもわからない。ただ、登場人物が自分の都合でついた小さなウソが逆に妙に人間くさくて気になった。