台湾紀行(司馬遼太郎)

街道をゆく (40) (朝日文芸文庫)

街道をゆく (40) (朝日文芸文庫)


台湾って台北ばかり行っているのだが、この本はむしろそれ以外の町が中心になっている。李登輝氏のような大物が普通に登場するのは、司馬遼太郎氏の本ならでは。このシリーズ、案内人は必ずその国の歴史に精通している人が選ばれているから。
私は少数民族、そして言語の話に興味があったので、その興味をある程度みたしてくれたことに満足。日本では「高砂族」として知られる台湾の少数民族は、台湾が中華民国となってから「高山族」なり、今は「山地人」という呼び方もあるが、高山族が「原住民」と呼ばれることを好んでいるそうな。また、互いの言葉がまったく違うため、日本語がむしろ共通語になっていたりもするらしい。これは司馬さんが旅した時代のことだろうか。タイヤル族の人がやたら日本語が流暢だったことを思い出したが、真実はわからない。
今度は、原住民が多く住む台湾東部、そして花蓮というところに行ってみたいものだ。