マン・オン・ザ・ムーン


1999年、アメリカ、ミロス・フォアマン監督、Man on the moon
ジム・キャリー主演の映画。ジム・キャリーの印象も、そして彼がこの映画で演じるアンディ・カウフマンという人も強烈なキャラクターなのでとくに好みでもなかったのだが、成り行き上観たら、思ったよりいい映画でした。
この映画の主人公は、アンディ・カウフマンという実在のコメディアンで、そのネタの強烈さから賛否両論を巻き起こした、35歳にしてなくなった人の話。実際に生前のカウフマンと付き合いのあったダニー・デヴィートも、アンディを見出したマネージャーの役で出演している。コートニー・ラヴ演じるアンディのガールフレンドも、アンディの「複雑さ」をよくわかっている人間として好演していた。
アンディの多面性、なかでもとくに人種差別や暴力的な不快なネタに全米中が翻弄されるも、その大部分が彼の巧妙すぎる仕掛けで成り立っている。そして、お葬式、そしてこの映画そのものも。かくいう私も、アンディ流に仕掛けられた映画冒頭部分にトリックにまんまとひっかかった一人だが。
人はだれしも、虚構の部分があるのかも。あるいは長い人生で作られた虚構のキャラクターを抱えて、でもそのことを意識することなく生きている? だとすると、リアルな自分って一体なんなんだろうね。
ちなみに、リアルなアンディ・カウフマンの映像はこちら。

ジム・キャリーの演技力の高さを噛み締めることができる。
そして、この映画ができるだいぶ前に、アンディ・カウフマンを思って作られたR.E.M.の曲。これがあるから、映画のタイトルもMan on the Moonになったそうな。

こちらのブログに、映画と、そしてこの曲の解説があった。若くしてなくなっても、こうして映画になるのだから、アンディ・カウフマンの大きな夢はある意味果たされたといえるかな。
Man on the Moon