神の子どもたちはみな踊る(村上春樹)

神の子どもたちはみな踊る (新潮文庫)

神の子どもたちはみな踊る (新潮文庫)


After the Quake: Stories (Vintage International)

After the Quake: Stories (Vintage International)


この本は、英語版の表紙デザインを採用した、日本語の文庫版を読んだ。英語版の想定のほうがおしゃれで好きだ。かえるくんがご登場で。
さて、こちら、もともとは日本語でも「連作 地震のあとで」、英語版はタイトルもafter the quakeとなっており、本短篇集をうまく示しているとは思う。そう、すべての短編は、何らかのカタチで地震の話を含んでいる。地震によって得た直接的な心理から、かえるくんとみみずくんの地底での戦いといった、ファンタジー的な要素までいろいろ、だ。ただし地震は地震でも1995年1月の阪神大震災の方だ。でも、文庫版でつけられた日本語のタイトルも良いとは思う。「神の子どもたちはみな踊る」は、収録されている短篇集から来ているのだが、妙に印象的なフレーズだから。
タイランド」という、医者さつきが、心の傷を癒すためにタイのリゾートで一人過ごす話がとくにに好きだった。ジャズがよく出てくる。エロール・ガーナーの4月の思い出、とか。