ドイツのマヌーシュ・ジャズシーンで活躍する人といえば、ヨショ・ステファンJoscho Stephanやワワウ・アドラーWawau Adlerあたりが思い浮かぶ。そうそう、ビレリ・ラグレーンBireli Lagreneが来日するはずだったコンサートの代打として登場した、ディクヌ・シュネベルガーDiknu Schneebergerもドイツのギタリストか。ドイツの有名なジプシー系音楽のフェスとしては、 アウグスブルグにて"Django Reinhardt Memorial in Augsburg"というのがあったが、最近は開催していないようにもみえる。そう、フェスを維持するのは、なかなか大変なことのようだ。
そんななか、密かにドイツでも盛んなマヌーシュ・ジャズを盛り上げるフェスが2015年から開催されているという。それがこの、"Gypsy Jazz Tage 2018"だ。なんでも狙うポジショニングは、毎年何千人ものミュージシャンを集めるフランスのSamois-sur-Seineで行われるジャンゴ・フェスとか。今年は5月10日~13日の期間に、コンサート、ギターワークショップ、そしてジャムセッションも行われるとのことだ。
地元のマヌーシュ・ジャズグループ、Hot Club de M Bellevilleや、Sinti一族出身の若手ヴァイオリニスト、サンドロ・ロイSandro Roy、そして英国からくるギタリストのロビン・ノーランRobin Nolanは、ギタージャズのワークショップの講師もやるという。
こちらは去年の様子。Selmer 607 とアントワーヌ・ボワイエールAntoine Boyerが出演していたようだ。豪華!
主催者の一人に名を連ねている人物に、ダニエル・フィッシャーDaniel Fischer がいる。ミュンヘンをベースに活動するギタリストで、経歴をみているととくにジプシー・ジャズに熱中している模様。若手ミュージシャンの育成にも力を注いでいるようだ。強い情熱を持った人は、フェスを継続するのに欠かせないと思う。昨年の入場者数が350名だったというこのフェスが、今後どのように大きく成長していくのか、注目していきたいと思う。そして、世界の片隅でマヌーシュ・ジャズ情報に飢えている物好きなファンのために、少しだけ記録した動画をシェアなどしてくれているともっと嬉しいな…。