Sur quel pied danser, 仏、2016年、Paul Calori/Kostia Testut監督)
主人公のジュリーは、家賃も払えないまま、なかなか正社員の職に就けないままでいた。安い靴屋で働いていたが、この日も解雇されたばかり。(ちなみに、安い靴のことはla godasseと呼ばれていた、なるほど。)そんな彼女が次に見つけた仕事は、フランスのRomans-sur-Isèreという、「高級靴生産の中心地 la « capitale mondiale de la chaussure de luxe »」といわれる場所での、高級靴の梱包の仕事だった。早朝からのハードワーク、上司は厳しそうな女性…決して条件はよさそうではないが、背に腹は代えられない。そんな職場に、リストラの噂が舞い込んだ。なんでも、「会社の近代化をする」というのだ。中国だって安い値段で似たような靴が作れるぞ、と。さて、どうする? 靴職人の女性たちは、プライドをかけて立ち上がった。
ミュージカル要素ありのコメディ映画なので、唐突に歌いだしたりするので少し冗長だったり、笑えたりする。途中、イケメン社長にわざわざ抗議に行ったのに、ボサノヴァであっさり説得されて、自己紹介しちゃったりして、思わず笑ってしまった。それでも、「戦う女」が立ち上がる姿はカッコイイ。そもそも、あんなデザインのあんなクツが似合って履きこなせる人はそんなにいないだろう。色々な宣伝文句で書かれているような、「ミシェル・ルグラン級のミュージカル」とは思わないけれども(すみません)、Olivia RuizやAgnes Bihlのような、シャンソン・ヴァリエテの歌手がサウンドトラックの歌詞づくりに参加しているところも、なかなかいい。だから、ますますかっこよく聴こえるのだろうか。