宿はこちらの「レラモシリ」。ご飯が美味しくて、利尻富士登山へのサポートも手厚く、登山好きにこそおすすめの宿だ。
同行の友人は利尻富士登山に出かけてしまったので、私は残されたもう一人の友達と自転車に乗ることにした。とくに事前予約もないまま、鴛泊港フェリー港にある小さな自転車屋さんで1日レンタル。正直、整備とかもされているか微妙な、電動でもマウンテンバイクでもない、そこそこ年季の入った普通の自転車。サドルの調整もよくわからないまま出発した。車道は1本なので、一度走り出してしまえば道に迷うことがないというのが方向音痴に嬉しい。
鴛泊のフェリー乗り場を出発して、まずは野塚展望台へ向かう。この日は横風も強く、日差しも強かったのですでに挫折しそうな雰囲気。それでも、うにを食べるかもめを眺めたりして(写真を撮る余裕はなかったものの)驚愕したり、「ホテル雲丹御殿」という、本当にウニ料理ばかり出すホテルを眺めたりして楽しむ。野塚にちょっと休憩所や自動販売機があったので、一休み・・・というかこのペースで大丈夫なんだっけ。
こちら、うにを食べるかもめの図。いや本当にこんなのが普通にみられて感動します。
次にきたのは「鬼脇」というエリア。ここには、利尻島郷土博物館があったので、ちょっと郷土の歴史に触れてみた。利尻といえば昆布やウニが思い浮かぶが、かつてニシンの最盛期は本当に賑わっていた島であったことがよくわかった。
そして、オトタマリ沼。静かで綺麗な沼地。小腹が空いたので、近くの売店で焼きホタテを食べてトイレに行く。ほたて、本当にどこで食べてもおいしい。産地直送っていうか産地だものね。ホタテの殻もたくさん見かける。
利尻昆布を干している人。
白い恋人たちの丘。曇っていて何も見えないのと、けっこう道路から外れているので自転車をかなりこぐことになった。
南原湿原というところにきた。まあ一応降りて見ておこうかという感じ。日のあるうちに自転車を返却するためにも、こぐことを優先したくなっている。
仙法志というエリアにも博物館があったが、もう自転車から降りるのが面倒になっている。ひたすらこぐ先に沓形(くつがた)という町が。このあたりに有名なラーメン屋があるというので、ちょっと一休みしようと思い立った。「利尻らーめん味楽(みらく)」というビブグルマンにものったらしいお店なのだが、なんと定休日。うわぁぁぁ。
町といってもお店が立ち並んでいるわけではなく、とぼとぼと帰る道すがら、「米沢商店」というところを発見。魚屋と雑貨屋が合わさったような、地元の小規模スーパーという感じだったので入ってみたら、ひょんなことからほたてといかをさばいて、原価で食べさせていただけることになった。美味しすぎる。呑みたいくらいだ。でも飲酒運転になっちゃうのでぐっと我慢。
お腹が満たされたところで、ラストスパートを駆け抜ける。
ミルピスという不思議な乳酸菌飲料。ノーマル以外にギョウジャニンニクやハスカップなどを使った不思議な飲み物を試飲した。
途中、サイクリングロードを通って映画「北のカナリアたち」の撮影現場を観たりした。何もなく、とにかく風が強くて、厳しい撮影環境だったであろうことに思いを馳せたのであった。
すごく心配だったけれども、結局無事に、日のあるうちに自転車を返却することができたのであった。やった!
ちなみに宿では「こんなに風が強い日に自転車によるなんで、自分ならやらない」というようなご意見いただきました。え、そうなの? まあでも旅行者ですからこっちは。できることはやらないとね。宿のご飯が最大のご褒美になった。