[福岡散策2022]さようなら、新生飯店。名物のちゃんぽん+皿うどんを食す

福岡は天神エリアの大規模再開発プロジェクト「天神ビッグバン」。本プロジェクトは着々と進行しており、天神交差点から半径約500m圏内の老朽化したビルは次々と最新型のビルに建て替わるなか、一箇所だけ昭和の雰囲気を残した箇所があった。高層ビルの間ですでに工事中という雰囲気の中に、5階建ての小さなビルがある。このビルに実は二つのお店が共存していることを知った。

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中華料理屋の「新生飯店」は1958年に創業、1961年よりこのビル全部で、北京料理を中心としたラインナップで営業していたそうだが、その後60年代後半くらいからコンセプト変更をして昼のみの営業になった。一方のもつ鍋専門店「楽天地」は1977年創業で、1978年からこのビルで新生飯店の2階より上を使って営業を開始、最終的に楽天地が昼の間、新生飯店に店舗をまたがしするような形で共存していたらしい。借主の楽天地は再開発業者に訴訟を起こされていたようだが、無事和解し、今回両店ともに閉店の運びになった。「楽天地」は、すでに天神の、こちらのビルからほど近い「アクロス」というビルに店舗を持っているためまだその味を楽しむことができるが、「新生飯店」は新店舗を構える予定はなく、このままでは本当に最後になってしまう。

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楽天地」は、今年3月21日に閉店済み。一方の「新生飯店」は今月26日に閉店するとのことらしく、私が行った時にもすでに多くの人が押しかけていた。11時半すぎに行って、だいたい1時間半は待っただろうか。長蛇の列にすっかりびびって、ろくな写真を撮ることができなかったが、いくつかこちらに写真を残しておこう。
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私はカウンター席に案内されちゃんぽん、皿うどんに半チャーハンを頼んだのだが、すごくボリュームがあって野菜たっぷりで美味だった。「麻婆豆腐定食」頼んでいる方もいたが、調理にはかなり時間がかかる、と言われていた。店内には鉄鍋を振るうご主人と奥様、それに長年働いているアルバイト女性の3名がいたのだが、こんなに忙しいのに穏やかなお人柄が滲み出ていて、ほっこりした気持ちになった。しかも、常連でもなんでもない、通りすがりの私にまで優しいのだ。半チャーハンが遅くなったことを丁寧にお詫びされてしまい、こちらが申し訳ない気持ちになってしまうくらい。長蛇の列をみてでも、なお「大将に一言ご挨拶をしたい」という訪問者がきていたことも納得だ。カウンターに忘れ物をして作業を増やしてしまい申し訳なかった...。あまりにも忙しいだろうから、営業終了後はゆっくり休めますように...。
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