今年はマヌーシュ・ジャズ要素が多め? Eddie Lang Jazz Festival 2022

1991年以来、イタリアのモンテロドゥーニMonteroduniという町の中世のお城で行われる、エディ・ラング・ジャズ・フェスティバルEddie Lang Jazz Festival。アメリカのフィラデルフィア出身で、フェスの名前にもなっているエディ・ラングは、かつてリズム楽器であったギターを単音でメロディを聴かせるものとして押し上げたとして、「ジャズ・ギターの父」ともあがめられる人物らしい。イタリア系で、Salvatore Massaroというイタリア名を持つエディのご両親の出身地が、Monteroduniにということで、毎年、ジャズ・フェスティバルが行われている。

エディ・ラングが、ヴァイオリニストのジョー・ヴェヌーティJoe Venutiとデュオアルバムを出したのは、ジャンゴ・ラインハルトDjango Reinhardt とステファン・グラッぺリStéphane Grappelliのデュオより前のことだったことから、ジャンゴたちが影響を受けた可能性なども指摘されることもある。その真偽のほどはさておき、2022年7月末に4日間にわたり開催されたエディ・ラング・ジャズ・フェスティバルの二日目のラインナップは、マヌーシュ・ジャズ出演者だけで固められていた。


一人は、ダリオ・ナポリDario Napoli。シチリア出身で現在はミラノを拠点に活躍するギタリストだ。Modern Manouche Projectというグループを率いて本フェスに参加している。地元イタリア開催のフェスであることもあり、過去にも 本フェスに出演した記録た残っている。

もう一人は、アマティ・シュミットAmati Schmitt。ご存知、ドラド・シュミットDorado Schmitt の息子で、昔は親子デュオでもよく活動していたと思うが、今は父親がリードしていたDjango All-Stars をリーダーとして率いるとともに、自分のバンドでも活躍中だ。リズムギターには、親子デュオ時代から共演していたジャンゴ・ラインハルトの縁戚、Mandino Reinhardtの甥っ子フランコ・メルステインFrancko Mehrstein、ヴァイオリンにはベルギー生まれで、やはりシュミット親子と共演歴があるアレクサンドル・キャヴァリエAlexandre Cavaliere が参加している。

ダリオもアマティも、ジプシージャズ/ギターをテーマとして、期間中開催されたマスタークラスの講師も務めている。ジャズ好きはもちろんのこと、ジプシージャズ/マヌーシュ・ジャズ好きにも魅力的なフェスだったに違いない。公式からは、Amati Schmitt gypsy jazz quartet のライブの動画が公開されているので、雰囲気を少しだけ味わうことができる。
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