マヌーシュ・ジャズ界の豪華ゲストが参加、Ninine Garcia のアルバム完成記念ライブ

昨年12月にリリースされた、Ninine Garciaのアルバムに、"Heritages"がある。
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Ninine Garciaは、パリ郊外 St-Ouen(サン=トゥアン)にある、「マヌーシュ・ギターの寺」と呼ばれるライブハウス、La Chope des Pucesの守護神であるといわれているらしい。そこまで言われてるギタリストのニニンが、ジャンゴ・ラインハルトのスタイルを踏襲しつつも、Wes MongomeryやGeroge Bensonといったジャズギターにもインスパイアされて作ったのがこのアルバム"Heritages"だ。リリースされたのは昨年の12月頃だろうか、特筆すべきは豪華ゲストだと思う。

ニニン以外のギタリストは、いつも共演しているRocky Garcia以外に、言わずと知れたトマ・デュトゥロンThomas Dutronc、サンセヴェリーノStéphane Sansévérino、ノエ・ラインハルト Noé Reinhardt、ヴァイオリンはエヴァ・スロンゴEva Slongoも参加している! でも個人的に「おおっ」と思ったのが、歌手のリアヌ・フォーリー Liane Folyが参加していたことだ。少なくとも90年代にはフランスで大人気だった歌手が、なぜニニンと接点があるんだろう…ちょっと不思議だなぁと思う。

さて、このアルバムの完成を祝い、昨年パリのライブハウス、Le Bal Blometで開催されたライブの様子が動画で公開されていた。

なんだこの贅沢なラインナップは! 週末愉しむのにぴったりのフルライブ映像だ。

暑すぎる夏を乗り切る食べ物2 - カッペリーニのたらこパスタ

カッペリーニのスペルを確認しようと思ってWikiをみたら、"日本では、パスタ販売元も含めて「カッペリーニ」という表記が用いられているが[3][4]、イタリア語の Capellini の綴りと発音 [kapelˈliːni] に照らせば正確な転記とは言えない。"とのこと。でも、「カペッリーニ」という言葉は発音しにくいし、パスタ販売元も「カッペリーニ」を採用しているなら、ま、いいのかな、このままの呼び方で。
ja.wikipedia.org

たまたまこカッペリーニの乾麺をいただいたのだが、冷製パスタ用のソースを作らなければならない謎のプレッシャーを感じ、使っていなかった。ある日、急ぎご飯を食べる必要があったので、茹で時間2分のこのパスタでたらこパスタを作ったところ、普通に美味しいじゃないか。「たらこ1腹+レモン汁+刻みシソ」で食べるのもよかったが、昨日試したこのやり方がよかった。

「たらこ1腹+牛乳大さじ1+マヨネーズ大さじ1+だし醤油大さじ2分の1」
これをパスタ皿の上で適当にまぜて液状にし、茹で上がったカッペリーニを入れてソースを絡ませ、トッピングにフレーク状にした韓国海苔をちらす。これだけです。ソースがうまく絡んで美味しい。細麺の方がなんとなく暑さの中でも食欲が出そうで、しばらくハマりそうな予感だ。

アジアンドキュメンタリ―ズが楽しい。「秘境をぶっ飛ばせ!」

最近、映画やドラマの鑑賞記録はすべて「Filmarks」というアプリに移行してしまった。すごくいいアプリなのだが、唯一欠点があるとすれば、たまに私が鑑賞する映画がカバーされていないということ。仕方ないので自分のブログに記録しておこうと思う。

アジアンドキュメンタリーズというサイトで紹介されていた、「秘境をぶっ飛ばせ!」

2018年制作、インド、監督:フレデリック・エルホルガ&アントナン・マルセル

インド北部の奥地、ヒマラヤ山麓3,600メートルの高地が舞台。道なき道を大型車で飛ばす運転手たちのストーリーを追った、ただそれだけの映画。予告編をみただけでも結構スリル満点である。雄大な眺めが楽しめる一方、この危険な道を運転する人達の命を心配せずにいられない。乗客の暮らしも、過酷すぎる。2018年に制作された映画でこのインフラ状況ということは、いまだに道路なんてできていないんだろうな。改めて、すでにインフラが整い、人やモノの移動にここまで危険な運転を強いられない日本という国に感謝の気持ちがわいてくる映画だ。

「アフリカの少年ブッダ

2019年、マラウイ共和国、監督 ニコール・シェーファー

マラウイで孤児院育ち等の貧しい子供たちを、仏教の教えに基づいて支援する台湾の学校を負ったドキュメンタリー。この学校はアフリカにネットワークを持っており、教育はすべて中国語、武術等も教えて、仏像を拝ませる。イスラム教徒の村で育った孤児の少年は、その教育方法や自分のアイデンティティに疑問を持っていくのであった…先生方の教育方針や支援は強烈で、貧しいともはや自分の意志で教育も選べないのか…と思い知ることになる。日本でも宗教系の団体はこんなふうに海外援助を進めているのだろうか…。

38 度線を潜る男

2017年制作/韓国/チン・モヨン監督

潜って漁をする脱北者の男とその家族の話。「え、そんな装備で潜るの?」という感じであるが、命がけの仕事、家族への思い、生きることへの必死さ、北の人に対する韓国人の偏見を受けながら生きていく主人公の男に感動する。


他に、グレートジャーニーの関野吉春氏と、モンゴルの遊牧民の少女との出会いを描いた映画「プージェー」もよかった。(この映画はFilmarksのアプリにも登録されています)

ドキュメンタリー好きにはたまらない、「アジアンドキュメンタリーズ」。月額払いができるのがいいところだと思う。ドキュメンタリー映画好きにお勧めだ。

サミー・ドーサが連続出演。フランス、ノルマンディのマヌーシュ・ジャズフェス "La Gitane"。

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2020年8月15日・16日の2日にわたり、フランスはノルマンディのCresseveuilleクレセヴイユという場所で、La Gitaneというジャズフェスが行われた。La Gitaneは主催団体の名前で、"Jazz-guitare au pré"というのが正式なイベントの名前だと見えなくもないが、Festival Jazz manouche La Gitaneといってる新聞記事もあるので、La Gitaneと呼ぼう。開催は、町内の特設テントの中のステージだ。

昨年はどうやらSamy Daussat Trioが出演したこのフェスだが、今年のゲストは、ヴァイオリンのコステル・ニテスクCostel Nitescuにアンジェロ・ドゥバールAngelo Debarreとのこと。検索してみたところ、さっそく動画がアップされていた。

コントラバスが クロディウス・デュポンClaudius Dupont で、リズムギターはサミー・ドーサ Samy Daussat だ。豪華なこと!

こちらは、Groupe Mazarskiというバンドだろうか。途中、外の様子が動画に出てくるが、なかなかの大雨でちょっと寒そうだ。


一応ポスターでは「COVID19に注意し、保護するように」と書かれてはいるが、だれも保護している模様はない。一方で、さすがカルヴァドス県、リンゴの産地だけあって、地元のシードル会社がイベントのロゴをラベルに配したシードルのボトルを準備したりしていて、町ぐるみでイベントを盛り上げようとする姿がほほえましい。
www.fermedecavelande.fr

第二回目の開催となった今年の参加者は600名だったとのこと。小さくてもいいので、末永く続くフェスティバルになるといいなぁと思う。

暑すぎる夏を乗り切る食べ物1 - 冷やし甘酒

この夏もう暑すぎてどうしようもない。まあ正直暑くても普通に食欲はあるのだが、やはりどうしても食べやすいものになびいてしまう。またいつか夏を乗り切るために、今年の夏ハマった食べ物を色々とメモっておこうと思う。

まずは「冷やし甘酒」だ。パンデミックには発酵食品がいいとかよくないとか。まあとにかくそんな風潮のなか、たまたまつかみ取りで勝ち得た酒粕があったので、作ってみた。少人数対応の分量なので、やりやすい。

1. 酒粕60グラムを400ccのお湯にひたしてふやかし、溶かす。
2. 大さじ2杯の砂糖を入れる。私は、家に大量にあるショウガ湯や、あまり食べないショウガ飴などの飴玉を砂糖替わりに使った
3. 冷蔵庫で一晩冷やす。

今まで作っていた甘酒はけっこう酒粕の粒がびっちりと入っている濃いめのものだったが、これくらいの薄さだと、冷やして飲んでも美味しいと感じたのだった。というわけで、今は毎日これを飲んでいる。いつまで飽きずにいられるかな。
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Antoine Boyerの"ワルツ"シリーズに、あの大物マヌーシュ・ジャズギタリストも登場

Antoine Boyerアントワーヌ・ボワイエール。私は、アントワーヌが父親のギタリスト、セバスチャンSebastien Boyerと結成していた「エスメラルド ジャズEsmerald' Jazz」で知ったが、今やすっかり親から独立し、マヌーシュ・ジャズの枠を超えた独自の活躍をしている印象だ。

オフィシャルサイトの経歴によれば、独学でマヌーシュ・ジャズを習得している。お父様とのデュオでレコーディングしたファーストアルバムでは、Francis Alfred Moermanとも共演していた。アルバムの2枚目くらいからその実力を評価されるようになり、今やメジャーなマヌーシュ・ジャズ/ジプシー・ジャズフェスのメインアクトだ。誰もが知るマヌーシュ・ジャズギタリストと舞台を共にする機会も多くなったと思う。

しかし最近の本人はというと、あまりマヌーシュ・ジャズにこだわっている様子はない。クラシックギターのジェラール・アビトンGérard Abitonに教えを請い、その結果フランスのクラシックギター雑誌から賞をもらったりしている。また、最近ではフラメンコギターのサミュエリートSamuelitoとも活動し、アルバムを出したりツアーもしていた。

ヴァイオリンのフィオナ・モンベFiona Monbetと活動はしているようだが、もうマヌーシュ・ジャズの枠のこだわりはないのかな…と思っていたが、ここ半年で、尊敬するミュージシャンたちに対するワルツ曲を次々と発表している。タイトルは"Waltz for XXX"。ということで、現在3作品が公開されている。

はじめにワルツで登場したのは、"Waltz for Angelo"。アンジェロといえば、おわかりだろう。アントワーヌがギターを始める前からインスピレーションを与えられたという、アンジェロ・ドゥバールAngelo Debarreを意識して作曲されたものらしい。曲の雰囲気で、ああなるほど、という感じ。きっとアンジェロのプレイスタイルをふんだんに取り込んでいるのだろう。

で、次に公開されたのは、"Waltz for Bill"。ビルはジャズ業界に多くいる名前かと思うが、このBillはBill Evansだという。"Waltz for XXX”とくればまずはDebby、Waltz for Debbyという名曲がある。だからトリビュートしたくなったのかしら。ちゃんとBill Evansを彷彿とさせる、優しくメロディアスなワルツになっている。

アントワーヌによるWaltz for Debbyはこちら。すごくいい気分になれる演奏です。

そして3曲目。"Waltz for Bireli"…ビレリといえば ビレリ・ラグレーンBiréli Lagrèneしかいないだろう。ビレリもアントワーヌに大きく影響を与えたギタリストなのだという。
この曲には、ビレリのプレイテクニックや旋律をおおいに取り入れているという。難しそうだな。

ギターを弾ける人だと、このワルツのどの部分がビレリっぽい演奏なのか、説明できるのかもしれない。

私は、この3つの映像をみて、アントワーヌの果てしない才能を改めて感じたのだが、それとともに、気が付いた。「ワルツ」というのが、彼が2018年にリリースしたアルバム、"Caméléon Waltz"のタイトルに含まれるキーワードでもあることに。
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自分のアルバムの宣伝のために自作のワルツをリリースするとは、これまた贅沢なプロモーションだこと! あと何曲、ワルツが出てくるのだろうか。次はDjangoのワルツが出てきたりしないだろうか…。

(WFH Long Stay) ウポポイ(民族共生象徴空間)の食事はここがベスト!

ここでは、ウポポイおよび国立アイヌ博物館に行く予定がある人のための食事情報を。ウポポイの色々な場所で行われるイベントをこなすとあっという間に一日が経過するので、エントランス棟での食事をお勧めしたい。とくに良いのがこちらの2店。

●カフェ リムセ
地元の食材を用いた料理が楽しめる。アイヌの汁物「オハウ」の定食が食べられるのはここ。また、軽食も外の空間も楽しめる。

●焚火ダイニングカフェ「ハルランナ」
こちらは、イタリアンのシェフによる、アイヌらしさをふんだんに用いた創作料理や。少しお高いが必ず満足できるランチコースがお勧め。一番のお勧めは「エゾ鹿肉のコース」なのだが、私は白老牛を使ったハンバーグのコースを選択。十分楽しむことができた。お茶の時間はふわふわのパンケーキ(数量限定)も味わえる。
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その他、「ヒンナヒンナ」というところに行くと、手軽な軽食が楽しめる。また、「ななかまど」でコーヒーとアップルパイをテイクアウトしてオープンスペースで食べるのも良い。はじめは、白老の街で名物料理を愉しむことも考えたが、車がない立場としては、駅まで歩いてレストランを探しに行く時間がもったいないと感じた。施設内でご飯を愉しむことをお勧めしたい。

ウポポイそのものについては、また別途紹介しようと思う。