“딩가딩가 (Dingga)" by Mamamoo。パンデミックに見舞われた世界に生きる気持ちを代弁

たまたまMamamooの新曲が出るのを知った。11月3日にアルバムが出るそうで、そのアルバムからの先行シングルだそう。タイトルの딩가딩가(ティンガティンガ)は韓国語で楽しい様子を表すとか。歌詞がまさにパンデミック期間中の人々の心情を表しているようで共感してしまった。まあ要は「1日中同じ場所で過ごして、誰にも合わないから社会と距離も感じる。あっと今に夏もおわっちゃったし、もうデリバリーフードの宅配代ももったいないし、ビタミンDは不足してるし、孤独だしデトックスしたい。天気もいいしいい加減友達と連絡とって飲みに行ったりして楽しみたいわ。ね、アイス買いに行かない?」ってなことを歌っているわけだ。

よく見ればキラッキラのマスクしちゃって。現状や自分の思いを楽曲に取り入れる姿勢はさすがだなぁとおもう。
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コロナ中にMamamooのかっこよさを発見した私。最近のソロ活動ももちろん素敵だが、やはりこの4人がまとまって見られるのは嬉しい。絶妙なるスルメソングなので、しばらく楽しませていただこうと思う。

パリ近郊の老舗音楽スタジオによるプロジェクト、Pause@Studio Sextan。Bireli Lagreneのソロギターを堪能。

「フランスの音のパイオニア」と自らを定義するスタジオ・セクスタンStudio Sextan。フランスはパリ近郊、マレコフに1978年に設立されて以来、フランスの様々なジャンルのアルバムがここで制作されているようだ。
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そんな音に絶大なる自信を持つスタジオが、近所にあるクリエイターの高等専門学校EMCの生徒と協力して、「Pause」と題して著名なミュージシャンの演奏動画を公開している。ビレリ・ラグレーンBireli Lagreneも、このPauseのシリーズに登場している。

音の感じも映像もかっこいい。抑えられているけれども確実な演奏に癒されるので、ぜひ聞いてみて欲しい。

ちなみに、ビレリはアルバム「STORYTELLER」やDreyfus時代のアルバム数枚分のレコーディングをこのスタジオでやっており、これらのアルバムのほとんどのプロデューサーあるいはサウンドエンジニアとして、Vincent Maheyという人がクレジットされている。今回もこのヴィンセント氏が関わっていることから、もしかしたらヴィンセントさんのツテもあってこのようなプロジェクトへのビレリの参加が実現したのではないかと妄想している。フランスの音楽が好きな人は、ぜひこのサイトを見て、どのアルバムがこのスタジオで制作されたのかをチェックするのも楽しいかもしれない。

アルザスのマヌーシュ・ジャズ・ギタリスト、"ル・シノワ"の新作 "COUCOU"。クリスマスアルバムも?

ル・シノワ"Le Chinois"は、フランス語で「中国人」を意味する単語だが、そんなステージネームを持つマヌーシュ・ジャズギタリストが、セバスチャン・コフマンSébastien Kauffmannだ。不思議なあだ名なので目を付けており、注目している。
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2012年にデビューして色々なフォーメーションでバンドを組んではアルバムを出していたようだが、「Le Chinois & Friends」名義で活躍しだしたのが2016年だが、2020年10月に、同じ名義で3枚目のアルバム"COUCOU"をリリースしたことを知った。コロナ禍でミュージシャンの活動が制限されるなか、ル・シノワのアルバムリリース等の再始動は地元でも非常に歓迎されている様子だ。
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アルバムのタイトルになっているcoucouとは、カッコウという鳥の鳴き声の表現でもあるが、親しい人を「おーい」と呼ぶようなニュアンスである。アルバム作成のためのクラウドファンディングはうまく成立しなかったようだが、Coucouは無事リリースされた。リズムギターは、マニオ・ロフラーManio Loeffler 、そしてボーカルはハイディ・アデルHeidi Adelだ。

アルバムのレコーディング風景。春風を感じるさわやかなタイトルトラックだと思う。

そして気になるのがこちらの動画。なんでも、 "UN NOËL MANOUCHE"という、マヌーシュ・ジャズのクリスマスアルバムも出すようなのだ。

「ジングルベル」は「Vive Le vent」という歌詞で歌われており、サビには「鈴が鳴る」ようなニュアンスが入っていないことを今さら知った私。他にどんな楽曲が入っているクリスマスアルバムなのか、楽しみだ。

ジャンゴ・ラインハルトからフラメンコへ。ギターの名手、Raphaël Faÿsがタヒチに初上陸

パリ出身のギタリスト、ラファエル・ファイスRaphaël Faÿs。父親がギタリストだったことからマヌーシュ・ジャズの手ほどきを受け、5歳でFavinoのギターを持っていたという人物だが、パコ・デ・ルシアに影響を受けフラメンコギターも追及しており、今はフラメンコギターの名手としても名高い。
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そのラファエルが今、タヒチにいるらしい。なんでも10月16日に、インターコンチネンタルリゾートタヒチに地元のアーティストも一緒に招いてライブをやるらしいのだ。

ラファエルにとっては、タヒチが初めての訪問だとか。ジュール・ヴェルヌの作品「Les Révoltés de la Bounty (1879)バウンティ号の叛徒たち」を読んで以来あこがれていたが、コロナの外出禁止令中にたまたまこの映画のサントラを観ていたら、出演依頼の連絡があった、という。何たる偶然。
映画も知らなかったので探してみたが、たしかにタヒチや海にあこがれたくなる映画だ。

ダンスシーンも圧巻だ。

当日のライブも、まさに観客がパリからスペインのセビージャに旅するような楽曲を披露するとか。コロナ禍で観客がいるのか。もしや、仏領ポリネシアは、フランス人たちも日本人が沖縄に行くような感覚で島に行ったりしているのだろうか…いずれ、地元のニュースで派手に取り上げられているのだがら、地元の人々が非常に楽しみにしているライブであることだけは間違いなさそうだ。

タヒチRaphaël Faÿsの生ライブも、今のご時世では手に入らない。うらやましい。

ジャズ喫茶ベイシー Swiftyの譚詩@UPLINK吉祥寺

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岩手県一関市にあるジャズ喫茶「ベイシー」の店主、菅原正二氏を中心に、ジャズに限らず活躍している様々な方々の貴重な映像やインタビューで構成されている。「映画」という観点からみると、ストーリーからの脱線も多くて疑問が残る人もいるかもしれないが、ジャズやジャズ喫茶ファンにとっては非常に面白い映画だと思う。

出演する方がとにかく豪華。菅原氏と深く交友があり、店内にサインや特等席のイスもあるエルヴィン・ジョーンズカウント・ベイシーの出演は予想の範囲だったけれども…。なんとなくフリージャズがお好きな方なんだろうとは思っていたし、坂田明氏や村上"ポン太"秀一氏が定期的にベイシーでライブをやるのは知っていたが、阿部薫の演奏をここで観ると思わなかったし、SAXのペーター・ブロッツマンPeter Brötzmannとポール・ニールセン-ラブPaal Nilssen -Loveのデュオのライブも、「へえベイシーでやったんだなぁ」と感心した。(ちなみに、ブロッツマンとニールセンン-ラブのライブのお客が男性ばかりだったのに対し、渡辺貞夫氏ライブの観客がほぼ女性ばかりだというのはおもしろい対比だった)

インタビューに登場する有名人たちも、それぞれ「音へのこだわり」を語るのだが、「DUG」の中平穂積氏が、"NYで実際にみたビル・エヴァンスの音が細く繊細な音だったこともあり、大きな音が必ずしも正義とは思えない"と話していたのに引き換え、菅原氏が「大きな音だと思っていても、音に集中するとまるで「瀑布の裏側」のような静寂がある」というようなニュアンスで語っていたのは印象的だった。あとは、ナベサダが、サックスのリガチャーにこだわり、それを変えて比較しながら延々と吹いている姿をみて、売れっ子サキソフォニストも実はこだわりの人だったんだな、という一面を再確認したり。もう一つ思ったのが、菅原氏が人ったらしなんだろうな、ということ。まあとにかく有名人が色々出てきて、(まあ中には「この人映画に出てくるほど菅原氏と交流あるの?」って人もいたが)、なかでも安藤忠雄小澤征爾が出てきたのは、意外性もあり面白かったな。世界のオザワが語る「クラシックとジャズの関係」、そして、山本直純氏の名前がでてきたのも、なんだか嬉しかった。

何かの記事で読んだところ、「星野哲也氏が監督して5年×150時間分の映像を撮り続けたが、制作体制が不十分だったことから、ベテラン映像編集を紹介した。その紹介者が、監督の経営しているバーの常連客で、名プロデューサーとして実績もある元フジテレビ社長の亀山千広氏だった、ということらしい。「あんなに交流ありそうで、雑誌の取材も一緒に受けているタモリさんが一切出てこないのはなんでだ」というようなことを思う人もいそうだが、これはこれでいいのだろう。
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すごい素敵な空間だったから、菅原さんがお元気なうちにまた訪れたいなぁと思う。
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みんなの能楽教室@銕仙会能楽研究所 「舎利」鑑賞

9月末にご縁あって「舎利」という曲目を観た。ストーリーはこちら。
www.tessen.org

舎利がわかりやすくおいてあることもあり、ストーリーはわかりやすい。そして、その奪われた舎利を取り返しに行く韋駄天と鬼の掛け合いに勢いがあるので、楽しく観ることができた。

その前にお囃子のワークショップもあったのだが、これまた興味深かった。
記録のために先生方のお名前をここに(敬称略)。
一噌流笛方 八反田 智子、高安流大鼓方  柿原孝則、幸流小鼓方 曽和伊喜夫、太鼓方観世流 澤田晃良

八反田氏と澤田氏が普通の家から能楽の世界に入った方々、そして柿原氏と曽和氏は、代々続く能楽師の家のようだ。大鼓と小鼓の違いなんてサイズ感の話だけだと思っていたのだが、皮を乾燥させて演奏する大鼓と湿気を必要とする小鼓、皮の厚さや耐久年数等異なる点がたくさんあることがわかった。
「よし、お稽古するぞ」というまでにはならなかったけれど、次回お能を観に行ったら、もう少しお囃子に興味を持って鑑賞すると思う。

最後、鬼の面を撮影させてくださいました。いい記念になった!

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若手能楽師インタビュー 太鼓方観世流 澤田晃良 | 独立行政法人 日本芸術文化振興会

西安麺荘 秦唐記に「びゃんびゃん麺」を食べに行く@神保町

中国は西安の郷土料理「biangbiang(ビャンビャン)麺」。この麺のことは周囲で話題にはなっていたけれど、実際にお店に行く前にセブンイレブンのこちらを試してみた。
citicpressjapan.com

お、なかなかおいしいじゃない…でもやはりお店で食べてみたい! というわけで、神保町の西安麺荘 秦唐記にやってきた。
これですよ、「びゃん」。
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店内に「びゃん」の字の解説があったけれども、まあ軽く流してしまった。書くことないと思うんだな、今後。

麺は太さが選べたので、一番幅広なものをチョイス。普通に美味しかった。
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この麺の太さは、群馬県桐生市の「ひもかわうどん」くらいはあるのではないか。
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なお、このお店はお酒のおつまみもなかなかよいクオリティであった。つまみを愉しんでから「びゃんびゃん麺」でシメる、という食べ方がいいのかもしれないねー。
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