涙が出るCM


このblogは、もともと、ごくまれに音楽に関する情報webサイトに文章を寄せる機会のある私が、恐れ多くてそのWebサイトには掲載できないようなとりとめのないこと、たとえばみたものとか聴いたもの、食したものを備忘録程度に書いておこうとはじめたものだ。素直にいいと思ったものは記憶にとどめるべく書いておこうと思う一方で、マーケティング根性丸出しのものは、あまりここに書きたくもないと思っている。自分がマーケティングエリアを仕事にしているからこそ、マーケッターの意図を敏感にかぎ取ってしまうせいかもしれない。

そんな、ちょっとヒネクレモノの私も、この、ある有名な会社のCM(東日本版)に涙してしまい、ここに記録せずにはいられなかった。イチローの実映像、ミスチルの歌詞と楽曲、それにこの適切な配役が演じるドラマ。これだけでなぜか泣けて泣けて仕方がない。

このなかで繰り広げられる親子の会話で、子どもの「イチローみたいになれるかな」という問いかけに対する父親の答えに共感し、また涙が出てしまう。「イチローになろうと思ってもなれるものではない。でもなろうと思わなきゃ、何にもなれない」。この会話に、イチロー選手が小学校6年生の時に書いたという作文「僕の夢」の内容が重なる。この作文で鈴木君は、プロ野球選手になる、という夢の実現のために、友達を遊ぶ時間を削ってまで365日中360日間猛練習に励んでいることを書いている。つまり、彼は夢を夢のままにしない努力をしており、また12歳にしてそのことを確信しているのだ。「これだけ練習しているのだから、必ずプロ野球選手になれるのだ」と。

私は、今まで、何かを夢見たとしても、その夢が必ず叶うと信じるくらいの、血を吐くような努力をしただろうか。今後、そこまで思いつめて思いつめて叶えたいと思うような何かが、出てくるかな…なんて考えが交錯する。このCM、まだTVでみたことはないし、かの企業の売上やブランドイメージに直結するかどうかはわからないけれども、(「西日本版」のほうが、彼らの事業内容の価値が明確に打ち出されている気はする)、少なくとも、多くの人に感動はもたらすのではないかな。これをみて泣いたりするの、私だけじゃないと思うのだ。

「365日」(抜粋)
聞こえてくる 流れてくる
君をめぐる 押さえようのない
想いがここにあるんだ
耳を塞いでも 鳴り響いている
君が好き わかっている
馬鹿げている でもどうしようもない
目覚めた瞬間から また夢ん中
もうずっと君の夢を見てんだ
同じ気持ちでいてくれたらいいな
針の穴に通すような 願いをつないで
365日の 言葉を持たぬラブレター
とりとめなく ただ君を書きつらねる