冷たい雨に撃て、約束の銃弾を

2009年、香港、原題;復仇(Vengeance)、ジョニー・トー監督

冷たい雨に撃て、約束の銃弾を [DVD]

冷たい雨に撃て、約束の銃弾を [DVD]


プロデューサーと主役にフランス人を迎えた映画だ。
平和な家庭をぶちこわす、衝撃のシーンから始まる。
あとはお馴染みの展開だ。主役は、ジョニー・アリディが演じるフランシス・カステロ。彼がアンソニー・ウォン、ラム・カートン、ラム・シューというお馴染みの役者が演じる殺し屋3人組とコンタクトを取って、殺人の復讐を図るという内容。
フランス人が加わったことでいつもと少し違う点があるとしたら、台詞にフランス語や英語が混じるところ、そして、いつもの料理シーンが、パスタと赤ワインで行われるところか。あとは、殺し屋たちの美学、依頼人との間に芽生える奇妙な友情、そして、依頼人が負った過去の傷のせいで、どんどん失われていく記憶、美しい銃撃戦と、見せ場はてんこ盛りだ。4人のきずなが垣間見える、自転車シーンはとくに好き。
途中、「ここで終わり?」と思わせる、ある意味幻想的なシーンが出てくるが、ここで終わらないのがジョニー・トー作品だ。最後まで鮮やかに魅せてくれる。ラム・シューもちょいちょい「やらかして」くれるので、安心感がある。
あとでDVDについている製作ノートをみたら、はじめはトーが尊敬している俳優アラン・ドロンに主役を頼もうとしていたらしいが、いやいや、この選択肢がよかったと思う。アリディはこの映画に相応しかった。