La Marseillaise〜仏国歌ラ・マルセイエーズのマヌーシュ・ジャズ版  パート2

以前、Romane、Boulou & Elios Ferré、Mathieu Chatelainという重鎮4人組が、"Django 100"という企画の中でフランス国家を演奏していたということを紹介した。
La Marseillaise〜仏国歌ラ・マルセイエーズのマヌーシュ・ジャズversion - 空間Annex
今回はこちらの動画だ。やはり同じフランス国家をマヌーシュ・ジャズで演奏したものである。残念ながらメンバーはサムソン・シュミットSamson SchmittとHono Wintersteinしかわからないが、(後ろのバイオリニストは誰だろう…と思ったら、クレジットによりStoro Mersteinという人だと判明)、また一味違ったラ・マルセイエーズが愉しめる。

なお、気になったのが、この国家演奏動画の意図だろう。二人のギタリストの間に立った子供が、祝福の言葉を述べているあたり、普通のライブ映像と少し違うなぁと思ったら、何と、仏大統領選でフランソワ・オランド氏の当選を受けて作られた映像のようなのだ。映像制作者としてクレジットされているのは、U.F.A.T.(Union Francais des Associations Tsiganes、つまりフランス連合のツィガーヌ(ロマorジプシー)協会といったところか。さらに、オランド氏の当選を祝う主体として、Les Manouches de Forbach(フォルバックのマヌーシュたち)ということが明記されている。フォルバックはドイツ国境モゼル県の一都市だ。ドイツ併合の歴史があることから、きっとマヌーシュが迫害されるようなこともあったのだろう。
前大統領のサルコジ氏がロマ追放政策などを推し進めていたが、オランド氏はそういったことはしないのだろうか。あるいはその期待が込められているということか。子供の口から祝福メッセージを言わせるあたり、サルコジの政策がいかにロマの人々を苦しめていたかを物語っている気がする。
そういえば、サルコジの対ロマ政策を受けて、当時はこんな曲もあった。"Roms vs Sarkozy"。

Hey, hey Sarkozy why don't you like the gypsies…というわけで、すぐに時流に乗って作曲をしてしまうミュージシャンには脱帽です。