マヌーシュ・ジャズを作り上げたヴァイオリニストを主役にしたミュージカル、"Monsieur Grappelli"。

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マヌーシュ・ジャズを愛する人なら、フランスのヴァイオリニスト、ステファン・グラッペリStéphane Grappelliのことを知っているだろう。もちろんクラシックやロック、ポップス、ジャズの世界でも活躍してきた超有名ヴァイオリニストだが、とくにジャンゴ・ラインハルトDjango Reinhardtと組んでQuintette du Hot Club de Franceというクインテットを組んで演奏活動を行い、マヌーシュ・ジャズというジャンルを盛り上げてきた立役者といえる。

そのグラッペリを主役にして作られたのがこのミュージカル、"Monsieur Grappelli"だ。6月7日~24日の期間、フランスのカフェ2カ所にて休演もはさみつつ上演されるという。内容は音楽中心に、グラッペリが生きた20世紀の状況等を踏まえながらその一生を描くようなのだが、コメディエンヌのセレナ・レイナルディSerena Reinaldiが共演するということで、多少はコメディの要素も盛り込まれているのだろうか。そして、グラッペリ役にはフローリン・ニクレスクFlorin Niculescuとそのクインテットが抜擢されているという。フローリンは、ルーマニアのブタベストで生まれて早くからヴァイオリンを弾いているが、13歳でグラッペリの音楽を聴いて憧れを抱き、パリに来てから実際にグラッペリと会ったこともあるという。のちに”Florin Niculescu Plays Stephane Grappelli”というアルバムも出しているし、「グラッペリの後継者」というような呼ばれ方もしているフローリン。グラッペリ役に最適といえよう。そして、レベルの高い音楽を聴くことができるに違いない。

「グラッペリとは…すべてだ」。こちらの動画でフローリンが言っている。

すでに高い熱意を感じるティザー動画がアップされている。

6月は、例のジャンゴ・ラインハルト追悼フェス、"Festival Django Reinhardt"を目指して多くのマヌーシュ・ジャズ好きがフランスに行っている時期でもある。このミュージカルを観ることができた方には、ぜひ感想をききたいものだ。