코리아(コリア)、2013年、韓国、ムン・ヒョンソン監督
1991年に千葉で開催された世界卓球選手権大会で実際に起こった出来事をベースにした映画。ハナは数字の1を示しているのね。主人公にハナちゃんという人が出てくるのかと思った。原題の「コリア」は、韓国と北朝鮮の統一チームを「チーム・コリア」と呼んでいることからつけられたのだろうか。
ハ・ジウォンが韓国のスター卓球選手だったヒョン・ジョンファを、そして、北朝鮮のリーダー的存在の選手、リ・プニをペ・ドゥナが演じている。ある日、政府の決定により、卓球の世界選手権で韓国と北朝鮮がタッグを組むことが決まった。自分たちが出場するチャンスも減る可能性も出てきた選手たちは猛反発するが、上の決定なので逆らえない。はじめは明らかに反発しあった両国の選手だが、ともにトレーニングをして時を過ごすうちに、打ち解けていく。ところが、北朝鮮の選手の護衛たちはその様子が気に食わず、急に北朝鮮の選手を帰国させるという決断を下すのだった…。
北朝鮮と韓国の選手たちの表情や、普段の行動が明らかに異なるところがきちんと表現されていて、おもしろかった。そして、リ・プニ役ノペ・ドゥナの化粧っ気がないどころか、恐ろしく顔色が悪くてやせ細っているのが印象的だった。これにもちゃんと伏線があるのだが。
ヒョンの、一見冷たいけれどもアツい心を描いたシーンが多々あって、涙が出た。どこがフィクションで、どこが実際にあった話なのか、その境目をこの映画で探すのは難しい。でも、ヒョンとリ・プニに本物の友情が生まれ、でもその後会うチャンスがない、というのは本当なのだろう。
この映画の影響で、実際にヒョン・ジョンファとリ・プニを再会させよう!という運動もあったとか。映画の影響って本当にすごいな。
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