2017年、Ratnaa Sinha監督、インド(ヒンディ)
Aartiは、利発でアクティブな女の子だ。年頃でもあり親からはお見合いの話がたくさん来ているが、主婦になることは望んでいない。しかし、とうとう断れない状況に置かれ、行ったお見合いで出会ったのが、役所で事務員として働くSatyendraだ。Rajkummar Raoが演じるこのMishraは、保守的なインドで妻になる人が仕事をすること、パートナーとしてともに生きることができることを望んている、と語った。AartiとMishraは、たちまち恋に落ちた。裏ではダウリー(持参金)の取引が行われていたが、Aartiの親は、娘が結婚できるならば…と法外な持参金の条件までのんで結婚の準備は行われた。
ところが。結婚式の当日、Aartiの姉がSatyendraの母と話をしたところ、実は家族はSatyendraとまったく異なる考えをもっていることを知る。つまり、嫁は仕事をするなんてもってのほかであり、家にいて家事をすべき、と。またその当日に、Aartiは超難関の公務員試験に合格する。しかも、Satyendraよりも上の立場のオフィサー職だ。このまま結婚しても彼女に幸せはない…叔父と姉にけしかけられて、Aartiは結婚式会場を逃げる決心をする。Satyendraの恨みと悲しみ、家族たちのショックは尋常ではない。この映画は、その後のAartiとSatyendraの物語だ。
結婚後も自由に仕事をしたい、ありのままでいたいと願う女性と、(世間体も考えて)娘の希望をきかず、一刻もはやく娘の結婚をのぞむ父親。そのことがときに不幸をもたらしたりするインド映画はけっこう多い気がする。女性が慣習にとらわれず、ありのまま生きられる世の中になることを願う、メッセージのような気もするのだが。
この映画の主人公ビッティも、きっと同じようなことを望んでいるに違いない。