(島鳥3 days) 富士山に続き、大山(鳥取県)に登ることになった話。


山が好きとか得意だとか、ましてや登りたいなどといったことは一度もない。なのに、なぜか周りの人は私を山登りに誘ってくる。「お前の体力なら大丈夫だ」と。おかしいな...まあとにかく、そんなわけで大山(だいせん)という山にやってきた。鳥取県にある標高1,729mの火山で西日本の最高峰。富士山に似た姿なので「伯耆富士」「出雲富士」などとも呼ばれているらしい。

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前日は、麓にある宿「川床屋」に宿泊した。地元食材を使った食事も美味しくて、宿も清潔だったので、過ごしやすかった。大山寺門前のにぎやかな通りやモンベルと提携しているコンビニのようなお店からも徒歩数分と便利。モンベルのショップもあるので、登山に詳しい先輩にアドバイスをいただきながら、登山に足りないものを買い揃えたりした。


翌日は、7時前に登山開始。登山口がちょっとわかりにくい。登山道は大変整備されているのだが、すべて階段というのがちょっと辛かった。6号目あたりに「避難小屋」があるのだが、狭くてゆっくり休める感じはない。6合目あたりで寒さを感じた人たちが上着を羽織ったりしていた。8合目くらいになると、高い木がなくなるせいか、視界がひらけてくる。礼文島をハイキングした時にみた風景に似ている。(なお、余裕がなくて写真の記録があまりないので、ここには印象だけ書き留めておく)。頂上の碑をみたら、そのまま少し降りたところにある頂上小屋にてお弁当タイム。30分ほど休んでから山を降りてきて...だいたい5時間くらいだったかな、所要時間は。

帰りは行者道に抜けて、大山寺に寄り道をした。すごい坂の上なので、このお寺は山登りの帰りに行ってよかっだと思う。

下山後のご褒美は豆乳! 美味しかったー。豆腐を買って帰りたかった…

今回なにが残念だったって、天候が悪天候だったこと。ガスっていて何もみえなかった。登山した際に感じる清々しさもあまり感じることはなかったが、達成感だけはあった。今回も素人登山で雨具以外の準備はしておらず、登山慣れした先輩に甘えてしまった。これを踏まえて、次回大山にいったらこうしよう! という決意をここに書いておく。

●非常用の簡易トイレの準備(今回は先輩に借りたのだが、頂上にトイレはないので万が一に備えて持っていくべし
●リュックカバー、ビニール袋(今回は天気が不安定で時に雨もぱらついたので、モンベルショップで買ったリュックカバーがすごく役立った。防寒着など濡らさずに済んだのは助かった)
●ポリエステル等速乾性Tシャツ(富士登山で学んだはずなのに、今回ウールシャツとコットンアウターしか持っていなかった...次回はちゃんと、速乾性のものを持っていくぞ)
●ポットとお湯(頂上が寒くて温かい飲み物が欲しい気分になったので)
●防寒系グッズ(ユニクロのダウンがいいらしい)
●ストック必須(とくに下りの階段責めはきつく、ストックが助かった)


なお、登山をした日の夜、たまたまテレビで御嶽山の噴火に遭遇して左手を失ったものの生きて戻ってこれた女性の話をみた。その経験はあまりにも過酷だったが、彼女が左手を失ってもなお生きていられたのは、備えていたことが大きいと感じた。彼女は左手を失ったまま山の上で一晩過ごさざるを得なくなった時、通りすがりの人にお願いしてリュックから防寒用具(ダウンジャケットと簡易テント)を取り出してもらい、それを体に巻き付けてもらったという。今回は、悪天候だったとはいえ噴火もなく、無事帰ることができた。山をよく知る先輩が一緒だったので安心して登山してしまったが、万が一何かあった時、自分の身は自分で守らなければならない。そのためにも、どこの山に行く時も装備はきちんと揃えていこう、と改めて思った。こちらは、御嶽山噴火事故から生還した山岳ガイドさんの手記。
南信州山岳ガイド協会 山岳・登山ガイド依頼申し込み

そしてこれが、左手を失った女性の証言。
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2022年、大山で遭難して死亡した人は4名にのぼるという。そんな事実を知りつつ登山事故の記録を読むと、たとえ初心者用の山でも自分が生きて帰ってきたことに感謝したくなる。