2017年、日本、河瀬直美監督

主人公は、水崎綾女が演じる映画の音声ガイド、美佐子。ある映画作品にガイドを付けて、それを実際に視覚障がいを持つ方の前で音声ガイドがきちんと伝わっているかどうかテストしているところに、辛辣な意見を寄せる人がいた。それが、永瀬正敏演じる、有名写真家の中森だ。
美佐子は、中森との出会いをきっかけに、仕事への向き合い方を見つめはじめる。

主人公をのぞく出演者たちの自然さが、河瀬作品のいつものことではあるが、とても心地よく感じる。そして、美佐子の声、まなざしがとても映画の雰囲気にあっている気がした。永瀬正敏は、前作の「あん」同様、こころに陰を持つ人物を違和感なく演じている。ラブストーリー…いわれてみればそうかもしれないが、そんなことよりも、かつては名をはせた有名写真家が、いずれ視力を失っていくその苦しみが痛いほど伝わってきて、泣けてきてしまった。

音声ガイドを付ける仕事の現場も(どれだけリアリティのあるものが映画で紹介されているかは不明だが)、興味深かった。こんなふうに丁寧に丁寧に配慮しながら、突き放しすぎることなく、かといっておせっかいに登場人物の気持ちを説明しすぎることなく、視覚障がいの方が画像を楽しめるような配慮をたくさんしているんだろうな…。
あん - 空間Annex

オープンエアでの食事が楽しめる、高級住宅街のメキシカン Playa@Mill Valley

Mill Valleyミルバレーは、サンフランシスコからゴールデンゲートブリッジをわたって、サウサリートを通り過ぎたあたりにある街だ。高級住宅街というかリゾート地らしく、大通りにはセレクトショップが多く並ぶような土地柄。世界展開しているアパレルブランド、バナナ・リパブリックもこの街が発祥地らしい。(だからといってとくに記念碑があるわけでもないが)。この街に用事があったついでに、ここのおしゃれメキシカン、Playaに行った。バナリパ発祥の地の並びにある。

お任せはシュリンプタコスとのことだったけれども、どれもこれも美味しかった。オープンテラスになっているところがあって、外の風を浴びながらごはんが食べられるところもまた魅力。夜はかなりにぎわっているらしく、お昼に行くのはオススメとのことだった。

緑が多い街だと思って調べてみたら、タマルパイアス山という山のふもとにある街だそうで、Tennessee Valley Trailというウォーキングコースが有名だとか。ここに来るなら自然を楽しむのもいいかもね。

この日、行きは濃い霧で何も見えなかったのだが、帰りはゴールデンゲートブリッジの赤いフレームがはっきりと見えました。

SF MOMA-サンフランシシコ近代美術館は、オーディオガイドがオススメ


エドワード・ムンクの特別展、"Edvard Munch, Self-Portrait:Between the Clock and Bed"を目当てに、SFMOMAにやってきた。平日だったので、当日のチケット購入でも問題なく入場。
有名な「叫び」のような絵もたくさん見受けられた。それにしてもよくもこんなに…自分自身の肖像を描けるなぁ。

他にも特別展としては、カリフォルニアで活躍している画家のアートばかりを展示した部屋。

パウル・クレーとサンフランシスコで有名なレックス・レイRex Rayという人の絵をたくさん展示した部屋。

韓国のビデオアーティスト、Nam June Paikの作品集。この人は日本で暮らしていたこともあったのかしら。

すごく楽しめたのは、Soundtracksという展示だった。機械仕掛けで楽器らしきものを出す装置、水辺にまるい陶器のお皿がたくさん浮かべられており、それらがぶつかって音を出す装置、部屋のまわりの映像にいる人がそれぞれ同じ音楽を合奏しているという観ていて飽きない作品など。
なにか不思議な音を奏でる球体や、電磁波の音をきける装置なども面白かった。



しばらく鑑賞したら、屋上でのんびり。これまた素敵な時間でした。

なお、今回初めてSFMOMAのアプリをその場でDLして使ってみた。位置情報でどこの部屋にいるか、どの作品が周りにあるか特定してくれて、目玉の作品について、日本語でもかなり細かく解説してもらえて、自分で解説を読むよりスムーズに絵画鑑賞が楽しめる。とても優秀なアプリで、美術鑑賞が数倍楽しめること請け合いだ。

初体験の握り寿司が次々と。Robin@San Francisco (Hayes Valley)


Hayes Valley(ヘイズバレー)という、おしゃれ地区がある。表参道付近のような感じで、おしゃれでとがってお店が並んでいる。エリアの紹介はまた後日するとして、このエリアにあるGough StreetとFultonの角にあるおしゃれ寿司屋、Robinにやってきた。アダム・トルトーサAdam Tortosaという、日本でも勤務経験のあるシェフの方がオーナーでもある。


入り口に、日本語をあしらったビール缶があるが・・・これはどこのだろう。デコレーション用の缶かしら。ちなみにロビンが仕入れているビールは、常陸ネストビールというクラフトビールだ。サンフランシスコでは常陸ネストをよく見かけたので、きっとうまく営業しているに違いない。

お店のメニューは「お任せOmakase」のみ。メニューはドリンクメニューしかなくて、食事の冒頭に「ミニマムのお任せが79USDである」ということを説明される。そこからひたすらいろいろなものが出てくるのだが、どれもこれも日本人にとっては物珍しい組み合わせのメニューばかりだ。
たとえば、白身のお刺身とイチゴ、タマネギを和えたものを突き出しに。


パリパリの海苔の上に、A5ビーフのタルタルとウニと・・・なんだっけ、果物?


お寿司は次々に握られてくるのだが、あぶりだったり、グラニースミスというアップルパイに使われるリンゴのすりおろしが白身魚に乗ってきたりゆず胡椒だったり七味がのっかってきたり、ポテトチップスとキャビアという斬新なものもあったな。握りのごはんは赤酢か何かを使っているのか、全部色がついていた。醤油は使わず、そのまま食べるスタイルだ。サイズが小ぶりなのがうれしい。おさかなはどれも新鮮でおいしくて、ウニをほおばった時には幸せな気持ちでいっぱいになった。



ここで、まだおなかに入るならば…というわけで「A5生肉にフォアグラをトッピングしたものも出てきた。

白ワインやスパークリングを傾けながら、すべて食べきってしまった。
日本人ならではの落ち着く味というのは確かに存在して、なかには好みでない組み合わせの食材もあったけれども、満足度は高かった。魚にあまり関心のない、あるいは情報がないだろう米国の従業員の方々が、一生懸命暗記した魚の名前を説明してくれるのも好感度が高い。
なかなか予約が取れないというこのお店、当分はやりそうだなぁ。

チャイナタウンの新風。"CHINA LIVE"@San Francisco


チャイナタウンというのはどこの国にいっても中国文化の色が強すぎて、すっかり中国にいる気分になる。そこに今年の3月新しくできたのが、"CHINA LIVE"というおしゃれビルだ。

主にウーロン茶カフェ、おしゃれな食材や食器のショップエリア、そして"Market Restaurant"というレストランが入っている。この"Market Restaurant"を試してみることにした。


メニューは北京ダック、台湾の小籠包、山東省の水餃子、四川麻婆豆腐…といった具合に、中国のあらゆる料理を網羅している感じだ。値段はもちろん周辺よりはお高めだが、アレンジがきいた中華料理がおしゃれな盛り付けと出てくる。


たとえば、モントレー湾でとれたカラマリフライは、バジルが添えられている。


ダンジネスクラブの春巻は、スティック状でスイートチリソースかマヨネーズ+七味をディップして食べる仕様に。(これは絶対に日本の居酒屋で、焼いたイカなんかを食べたことがある人が考えたに違いない!)。パクチーもかなりきいたお味だった。これを頼んでいるテーブルは多かった気がする。


山東省の水餃子はラー油の中に浮かべられて登場。中のソースは、ちょっと洋風な、コンソメっぽい味だった。


他にも、パスタと中華食材を絡めたものなどもあり、お店のギャルソンさん曰く「西洋と東洋の融合」」というようなコンセプトの料理が数多くあるそうだ。

ひととおりごはんを満喫したら、隣のショップで食材やグッズを物色。
Tシャツや小物は、赤を基調としたものが多いのではないだろうか。



カルビーかっぱえびせん発見! 量は日本よりもボリュームはあって、パッケージもポップ。エビのイラストを正面に大きく配していないのは、こちらの国に合わせた措置か。



これから2階にもレストランができる予定らしく、チャイナタウンにさらに観光客が増え、そして、主に白人系の観光客がこのレストランを目当てに足を運ぶきっかけになるのではないだろうか。
www.sfchronicle.com

"In Situ"@SFMOMAとの再会


去年行ってとっても楽しめたSF MOMAの1Fにあるレストラン、In Situに再度行ってみた。前回のレポートはこちら。
asquita.hatenablog.jp


色々なレストランからいいところどりしたメニューが楽しくて、再訪してしまった。友人と周辺を眺めながら迷いに迷って選んだのはこれ。

Kerremelkstampers
ベルギーで評判のHeuvellandというお店からのメニュー。

Butter Chicken Wings
インド、ムンバイのThe Tableというお店のもの。すごくおしゃれなキューブ状のチキンが美味しかった。カレーソースとナンがまた絶妙。

Smoked Confit Pig Jowl
乾燥シイタケとホタテが豚バラ肉の上にのっている料理。オーストラリア、シドニーのQuayというお店の名物らしい。

いずれも不思議な、食べたことのないものばかりの魅力だった。盛り付けが芸術的なのがまた素晴らしい。量は決して多くないけれど、満足度も高いです。

超おしゃれミャンマー(ビルマ)料理"Burma Superstar"@SF


サンフランシスコで友人行きつけのミャンマー料理屋さんに連れて行ってもらった。その名も"Burma Superstar"、仏像のアイコンがかわいい。ウォークインで行ってすぐに座ることができたが、その後多くの人が入ってきて、お店は大混雑だ。これは時間を選んだ方がよさそうだね。


友人おすすめ、Tea-leaf salad。いろいろな食感が混じった、そして味がさわやかなおいしいサラダだった。


モヒンガ。私はミャンマー料理といったらこれしか知らないのだけれども、今まで食べたもののなかで一番おしゃれで美味しかった。揚げたテンペ?のようなものがいい味のアクセントになっている。レモンをたっぷり絞っていただきます。



そしてこちらは、バジルチキン。鶏肉は柔らかくてスパイシーでかなり美味だった。

ちなみに、モヒンガをあとで調べてみたら、現地では朝食に食べられるみたい。豆、にんにく、タマネギ、とうがらし、香菜、バナナの茎に乾燥したナマズの肉などを煮込んだスープをそうめんのようなお米の麺にかけて食べる、というものだ。どちらかといえばカジュアルなこの料理をおしゃれに昇華させたこのお店、素晴らしい。すべてのメニューを制覇したくなってしまった。また連れてきてもらおうっと。