80'sポップスをマヌーシュ・ジャズに。THE ICY HOT CLUB

アメリカでジプシー・ジャズをやっている人たちのライブ動画を見付けた。The Icy Hot Clubという人たちだ。LAをベースに、ジャンゴ・ラインハルトスタイルの音楽を追求しているとのこと。ギター2人とベースをコアメンバーとして、バイオリンやクラリネットが都度加わるらしい。
Icy Hot Club - The Icy Hot Club


まずバンド名がふざけている。Icyな、ひどく冷たい「HOT CLUB」なんだから。まあ、換言すれば、とてもクールな音楽をやるHOT CLUBともいえようか。個人のバイオも、「1910年の嵐の夜ベルギーのキャラバンで生まれて…」などと書いてあるので、まともに取りあわない方がいいだろう。ただ、音楽はマヌーシュ・ジャズのスタンダードなどを取り入れており、本人たちの主張するとおり、確実にジャンゴの影響が現れている。
このライブ映像では、80年代のポップスもふんだんに取り入れられていて新鮮だ。Eurythmicsの"Sweet Dreams"や、Totoの"Africa"をマヌーシュ・ジャズの編成で遠征するなんて、なかなか考え付くものではない。
すでにそうした「80'sのマヌーシュ・ジャズ化」活動をしているグループとして、カナダのThe Lost Fingersというグループがいるが、米国のように世界に通用するポップスをたくさん有する国で生まれ育ったら、どのジャンルをやっても、一度は自分のジャンル・自分のスタイルで流行りのポップスを奏でたい、と思ってしまうのかもしれない。