2012年、神田裕司監督
コメディだと思ってゆるい気持ちで観だしたら、9割方コメディのなかにほろりとする部分もある、かなり好みの映画だった。いわゆる密室劇仕立ての映画で、場面展開はほとんどない。舞台は寄席の楽屋裏だ。外観は新宿の末広亭を使っているようだが、高座の模様は映画には一切出てこない。
主人公の立花亭ピカッチはいつまでたっても二つ目に昇進できない、下っ端の落語家。変わり者ぞろいの出演者たちをなだめすかして、穴があかないようどうにか舞台に上がってもらおうとするなかで、出演者のいろいろなやりとりが生じて…というような話。舞台裏がみられるというのも、この映画の魅力だと思う。「寄席囃子ってこんな風にやるんだ」というのもわかったし。
主役のノゾエ征爾さんは、個性派ぞろいの出演者のなかで、ある意味ごく普通の青年であり落語家を演じていらっしゃる。そして、その分、他の登場人物にインパクトがありすぎる!
遠藤を演じている千太郎さんは、かおをみた瞬間にピンときた! そう、これこれ。
SAKEROCKの「ホニャララ」のPVに出ていた人だって。もうこの方のこと、忘れません。
おっと話題がそれた。
この映画の原作は、“うわの空•藤志郎一座”という劇団による「悲しみにてやんでぃ」だったそうな。そうそう、このテンポのよさ、まさに演劇っぽいと思ったのだ。妙に納得。演劇版も観てみたいなぁ。
映画「TOKYOてやんでぃ」公式サイト