それでも夜は明ける

2014年、スティーヴ・マックイーン監督、米国・英国、12 Years a Slave

19前半のアメリカ、ニューヨーク州サラトガに住むバイオリニストのソロモン・ノーザップは、ある日二人組の男に声をかけられて、興行の旅に出た。その途中で薬を飲まされ、起きてみたら奴隷となっていた…という実話をもとにした話だった。
一度奴隷と決められたら、もう自分の本当の身分を証明するものはなにもない。そのまま元の名前も身分の奪われて奴隷船で南部に連れて行かれた。はじめにもらわれた農園主の主人は優しく、ソロモン(ここではプラットと呼ばれている)の能力の高さやバイオリンの腕を認め、重用してくれるように。しかし、あることから白人の恨みを買うようになり、殺されそうになる。
プラットを恨んだ男が歌う、このRun Nigger Runという曲なんてとても人種差別的で趣味が悪い歌詞で最悪だと思った。

結局優しい農園主も結局奴隷は商品という考えしかない。プラットの身をもう守れないから、という理由で次に売られた先は、信心深いのに冷酷非道な農場主であった…。まあ傍若無人とはこういう人を言うのではないか。好き勝手にふるまっている。そんな彼にも妻よりもお気に入りの奴隷、パッツィーがいる。しかし、他の奴隷に比べて贔屓されているようにみえるパッツィーも決して幸せではないのだった。過酷な中で、プラットは働きながらもそうやって生き延びようか必死に考えるのだった…。

英語の中でよい人そうな白人も、そもそも黒人を人として認識していないから、みんなひどいことを言い放つことに驚いた。しかも言いがかりをつけたり気に食わないと簡単に殺そうとしたり…奴隷制はすでにないが、人種差別は国に余裕がなくなると拡大していきそうで怖いなぁ…。

このレビューが良かった。

町山智浩が語る ブラッド・ピットが『それでも夜は明ける』を制作した意味
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