汚れたミルク/あるセールスマンの告発

2017年、インド・フランス・イギリス、ダニス・タノヴィッチ監督

パキスタンのセールスマン、アヤンは有名な某外資系企業に転職した。仕事はいわゆるMRで、医者を接待して粉ミルク等を買ってもらう仕事だ。人当たりもよく順調に売り上げを伸ばしてきた。ところが、ある日、仲良くなった医者で、カラチから戻ってきた医者にこう言われる。「君の売ってきた粉ミルクのせいで、たくさんの子供たちが死亡している」と。途上国で粉ミルクを販売すると不衛生な水でミルクを作るしかない親もいる。結果、母乳で育てるよりも粉ミルクで育てるほうが死亡リスクが高くなるのだ。

そこで、アヤンは告発を決意する。順調な売り上げをあげているにもかかわらず…ところが、ことは意外な方向に展開する。だれが本当のことを言っているのか…。

ただの告発映画ではなく、一ひねりあるところが面白い。そして怖い。告発って「はめられる」ことだってあるものね…。そして、家族や命も危険にさらすことがある、ということを実感した。