沖縄滞在中に、沖縄県立博物館に行くと、たまたま素敵な展覧会をやっていた。那覇に生まれ、現在も存命の画家、稲嶺成祚（いなみねせいし）の展覧会だ。ちょうど県功労者に選ばれたタイミングでもあり、興味深かった。
時系列に作品が並んでいるので、稲嶺氏がシンプルな線中心の作風になるまでの経緯が良くわかった。緑一色の、必ずしも線がつながっていないまま表現された線画は素敵だったなぁ。独特かつスタイリッシュ。もっと多くの人に知ってもらえればいいのに。
ちなみに常設展でも沖縄出身のアーティストが多く紹介されていたが、小橋川秀男という画家に興味を覚えた。
生まれはアリゾナ州だが沖縄で暮らしていた時期があるから、この博物館で紹介されているのだろう。第二次世界大戦中、いわゆる強制収容所にいたそうなのだが、その場所がマンサナとツールレイキということで、映画「ミリキタ二の猫」に出てきた日系人画家のジミー･ミリキタニとも交流があったのではないだろうか。どうだろう。
博物館そのものがすでに美しい。ミュージアムショップも見応えがあり、かつ落ち着く空間なのでおすすめ。
