アジアンドキュメンタリーズでみえるボリウッド映画の世界

アジアンドキュメンタリーズにハマっている。映画は好きでよくみるが、やはりドキュメンタリーは自分の知らない世界をみせてくれるからいいな、とつくづく思う。NETFLIXもよく自作ドキュメンタリーをやっているので、よくみてしまうのだが、アジアンドキュメンタリーズに収録されている作品はより興味深いトピックスが多い気がする。ただ、口を酸っぱくしていうが、Filmarksに作品が登録されていないことが多いのが本当に残念。なんでなんだろう、どうにかならぬものか...
というわけで、このブログに映画に関するメモはしなくなったが、アジアンドキュメンタリーズで観賞したなかで、Filmarksに登録がない作品をここにメモしておきたい。

「踊るボリウッド インド映画の向こう側」

2014年/インド/アダム・ダウ、ルチカ・マチャラ 監督

監督が4年間かけて追った、ボリウッド映画にまつわる人々の話。将来を夢見る新人ダンサー、メイクアップアーティスト、オーストラリア人の俳優、それに映画産業労働組合の副委員長など...偶然入った人もいれば、この世界に憧れて映画界に入ってた。たとえば、ダンサーの子はマドゥリ・ディークシットという女優に憧れたらしいし、労働組合のプレムはアミタール・バッチャンに憧れ映画スターになりたかったそうな。作品内にアミタール・バッチャンやらシャールク・カーンの名前や写真がちらほら出てきて、それだけでも嬉しい。一方で、あの華やかなダンサーたちが舞い踊る撮影現場は思ったより狭くて人が密集していている。その他大勢のダンサーの中にも、このドキュメンタリーに出てきたような明日のスターを夢見る子がいるんだ...と思うと、映画の見方が変わりそうだ。


マザーランド 世界一いそがしい産科病院 

Motherland/2017年/フィリピン/ラモーナ・S・ディアス 監督

Dr.ホセ ファベラ記念病院という産院の様子を追ったドキュメンタリー。そもそもこの産院、だだっ広い部屋にこれでもかというくらいベッドが並んでいて、難民キャンプとか野戦病院のようなすさまじさだ。そして未熟児が生まれても保育器がないからと、KMCというほぼ赤ちゃんを抱っこしっぱなしという保育方法を知り、まずは度肝を抜かれる。お母さんは若いのに赤ちゃんを生みすぎて、バースコントロールを学ぶシーンも。男はお金がなく、頼り甲斐もない。そして、なかには「退屈だし他の子供の世話もしたいから」という理由で未熟児保育もそこそこに病院を退院する母親も。考えようによっては暗い話にもなりがちだが、お母さんたちの奔放さや明るさに圧倒される。


さまよう子どもたち ー路上から逃れてもー

A Year of Hope/2017年/フィリピン/ミカラ・クロー 監督

こちらは今度、暗いお話。マニラでストリートチルドレンだった子供たちが暮らす島の児童保護施設をおったドキュメンタリー。親の殺人を目撃、親に捨てられる、シンナー中毒、窃盗、性的虐待...とまあ不幸のオンパレードだった子供たちが普通の暮らしを営むのも簡単ではないよな、ということを実感させられた。
ただ、ひとつだけすごいと思ったのが、ある少年が13才にしてゲイの自覚があり、そのことを周囲が認めているということ。すごくオープンだと思った。日本にもいわゆる児童保護施設はあると思うが、性的マイノリティに対して寛容なのだろうか..。

まだまだ観たいドキュメンタリーがたくさんあるので、ある程度たまったらここに記録しておこうと思う。忘れたくないのだ。

asquita.hatenablog.jp