今年のジャズフェスは、開催したことに意義がある。Internationales Django Reinhardt Festival Augsburg 2021

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ドイツのアウグスブルクで毎年開催される、ジャンゴ・ラインハルトフェス、"nternationales Django Reinhardt Festival Augsburg"。昨年は中止となったが、今年は6月4日〜6日の3日間、"Parktheater Göggingen/Augsburg"という地元の劇場を使って無事開催されたようだ。ちなみにこの会場、「おとぎ話のお城」などと言われるような素晴らしい外観・内装を備えた建築物らしい。

2021年の出演メンバーは、中止になった2020年の時のメンバーがそのまま出演する予定であった。ところが、パウルス・シェーファーPaulus Schäferの出演はなし。スウェーデンの人気ギタリスト、ウルフ・ワケ二ウスUlf Wakeniusは出演ができなかった代わりに、代打で発表されたのが、あのビレリ・ラグレーンBiréli Lagrène。もうひとグループ、6月4日に出演するはずだったストーケロ率いるThe Rosenberg Trioも、プログラム確定後に急に出演できなくなった様子だが、代わりにドイツの有名ギタリスト、ヨショ・ステファンJoscho Stephanのトリオが登場となった。そして、アマティ・シュミットAmati Schmitt (Doradoの息子だが、今やソロで大活躍している)、それに地元アウグスブルク出身のヴァイオリニスト、サンドロ・ロイSandro Roy、フランスのアコーディオン奏者、マルセル・ロフラーMarcel Loeffler、やはりフランスのギタリスト、マイク・ラインハルトMike Reinhardt も出演者に名を連ねている。多少の出演キャンセルがあっても相変わらず素晴らしいラインナップを保てるあたり、さすが由緒あるフェスだと思った。

飛び入りステージイベントや、楽器展示会、ワークショップなども軒並みキャンセルだったのは、コロナ禍ならではだろうが、フェスが始まってからさらにライブのキャンセルが出てしまった。最終日の野外コンサートを務める予定だったドイツはベルリンのバンド、"Radio Django"も、急遽、体調不良のためコンサートに参加できなくなってしまったようなのだ。これにより、3日間開催されるはずのフェスティバルは、2日間で実質終了となったのである。他にもキャンセルになったライブがあり、こうも出演者変更やキャンセルが続くとは、運営サイドも本当に大変だっただろう。それでも、今年は、果敢にもライブを実施したことに意義がある、と強く思うのだ。

そんな運営サイドのご苦労を思い計りながら、主催者が公開している動画のライブを楽しみたいと思う。