2021年は、ジャンゴ・ラインハルトの孫、David Reinhardtが率いるDavid Reinhardt Trio結成から20年の節目だった。結成時のメンバーはDavid以外にノエ・ラインハルトNoé Reinhardtとサミー・ドーサSamy Daussatという実力派グループだったが、今やDavidは教会での活動をたまに見掛けるくらいで、すっかりジャズシーンでは名前を聞かなくなってしまった。
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そんななか今回、かつても盟友がジャンゴ一家のトリビュートアルバムを出したと知り、さっそく聴いてみた。楽曲はノエやサミーのオリジナル曲以外に、ジャンゴ、そしてその弟のジョセフJoseph Reinhardt、息子のバビクBabik Reinhardt、そしてDavidの曲も収録されている。NuagesやLes Yeus Noirのようなスタンダード曲は入っていないけれども、ちょっと優しい気持ちになれる、素晴らしい選曲だと思った。ナポリ育ちのイタリア人若手ギタリスト、 カティア・シアヴォーネKatia Schiavoneも、ベテラン二人に引けを取らないギタープレイを披露している。彼女が作曲した"Co"という曲も、正統なジャズギター曲という感じで好感度が高い。
唯一わからないのが、アルバムの解説に"Avec la participation de David Reinhardt(ダヴィド・ラインハルト参加)"とかかれているのだが、どの曲に参加しているのかわからない。"Jacques le mineur"というDavidの曲が収録されているようなのだが...。アルバムにシャルル・トレネの代表曲である"Que reste-t-il de nos amours ?"が入っているのも気になる。この曲って、「私たちの恋に何が残っているの?」という原題で昔を懐かしむような歌詞だったと記憶しているが、なかなか音楽活動に復帰してこないDavidへのメッセージだったりするのか。考えすぎか。
アルバムの内容が素晴らしいので、ぜひ多くの方に聴いていただきたいな、と思った。
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