学生がとらえたジャンゴ・ラインハルト音楽の後継者たち。Swing! Les descendants de Django Reinhardt

ジャンゴ関連のドキュメンタリーを見つけた。

まず舞台はパリ。ギター職人であり自身もギタリストとして活躍するクリストフ・ラガーヌChristophe Laganeのギター制作風景から紹介される。次に登場するのは、パリのビストロ兼ライブハウス、Aux Petits Joueursのオーナー、オリビエ・ダビドOlivier David氏。さらに、オーナーによって紹介されたのが、ギタリストのノエ・ラインハルトNoé Reinhardtだ。ノエがインタビューに答え、自分にとってのマヌーシュ・ジャズについて話をする。たまたまこの日のライブはアンジェロ・ドゥバールAngelo Debarreだったらしく、その後ノエもステージに飛び入りしていった。
次に舞台はモンペリエに移る。ここで登場するのは、Drom BlanchardとNicola Sausaという二人組。彼らによる音楽の解説が入る。この二人はよくわからないが、モンペリエ中心に活躍しているギタリストらしい。
www.dromblanchardtrio.com

舞台はパリに戻って、蚤の市でのフェスティバルを映し出す。ここでインタビューに応じたのは、ドイツのギタリスト、Wawau Adlerワワウ・アドラーではないか。ヨーロッパでこの音楽がいかに広がっているかを話す。次に出てきたのはアメリカのギタリストでTed Gottsegenという人が、アメリカでのマヌーシュ・ジャズの広がりについて語る。この後ライブ風景に出てくるのは、ワワウだけでなくエヴァ・スロンゴEva Slongoそしてディディエ・ロックウッドDidier Lockwoodだ。

ここで場面は代わり、冒頭に出てきたクリストフの、15歳から共演していた親友として出てくるのが、ジャンゴ・ラインハルトの孫、ダビド・ラインハルトDavid Reinhardtだ。2人を追ってカメラはダビドのトレイラーへ入り、生後15日のダビドの子供、ダンとトマを紹介される。ダビドは9人兄弟らしいが、ミュージシャンをしているのはダビドのみ。それを考えると、ダビドが望むとおりこの双子がギタリストになるかどうかはわからないが、まあとにかくダビドはギターを取り出すと、子どもたちに向かって、新曲"Nouvelle Naissance"を演奏しだすのだった…。

この作品は、映像制作やジャーナリズムを学ぶためのパリの学校、"L’École internationale de création audiovisuelle et de réalisation (EICAR) "の生徒であるAlwin Courcyという人が作ったものらしい。たぶんジャーナリズムを専攻している人で、マヌーシュ・ジャズあるいはジャンゴ・ラインハルトのドキュメンタリーを作ってみたようにみえる。ナレーションの入れ方といい構成といいけっこう荒削りだが、貴重な映像をたくさん残してくれているのではないだろうか。

イベント、Swing en VOについても報道映像を制作している。こちらのほうが洗練されているかな? どうだろう。

いつか素晴らしいマヌーシュ・ジャズのドキュメンタリーを制作してほしい。この音楽は継承者がたくさんいて、さまざまな形で世界中に広がっているのだから。