ステファン・レンベルStephane Wrembelは、パリ出身、ニューヨークを拠点にするフランス人ギタリストだ。ウディ・アレンの"Midnight in Paris"の音楽を作った人、といえば、ピンとくる人もいるかもしれない。
ステファンがニューヨークで「Django a Go Go」と銘打った音楽フェスを実施したのは10年以上の前のこと。規模はどんどん大きくなり、2017年はあのカーネギーホールで開催、2018年以降はNYタウンホールで開催されており、今年5月の回で13回目になるはずだった。しかし、このコロナ禍の影響で、残念ながらこのフェスは10月に延期になった模様だ。
このフェスは、色々なミュージシャンとともにジャンゴ・ラインハルトの音楽を演奏しながらジプシージャズの進化を愛でる、という音楽フェスだ。5月のライブには、ヴァイオリンのデイジー・カストロDaisyCastro や、ピアニストのジャン-ミシェル ピルクJean Michel Pilc 等も出演予定だったようで、延期は残念だがこの状況なので仕方がない。
ちょっと嬉しいな…と思ったのは、2019年4月27日のDjango a Go Goの映像をフルで公開してくれたこと。2時間22分の超大作なのでまだ全部は観ていないが、クレジットされている出演者が華やかだ。私はラファエル・ファイスRaphaël Faÿsとセルジュ・クリーフSerge Kriefとその息子たち(Ezeckiel Krief & Lior Krief)の出演が確認できただけで満足だが、この年は何と、ジャンゴ・ラインハルトのひ孫であるサンバ・ボームガートナーSimba Baumgartnerが出演したというからすごい。サンバのことは別途調べるとして、この動画は今週末のお楽しみにしようと思う。
このジャムセッションにたまに連れてこられていたのが、ギタリストのCharles Welty Tarzanらしい。ちなみにこのLa Mission(正確には、La Mission evangelique des Tziganes de Franceというみたい)は今も存在していて、Charles Welty Tarzanの奥様のメッセージが掲載されていた。晩年のCharles氏の姿もこちらで確認できる。 Témoignage Lacouac Welty | Vie et Lumière
5月16日は、Django Reinhardtが亡くなった日だ。ミュージシャンがトリビュート演奏でもしてないかな…と思って軽く探してみたら、スウェーデンのギタリスト、ウルフ・ワケニウス Ulf Wakenius が"Tribute to Django Reinhardt and Joe Pass"というタイトルで動画を配信していた。曲は「Lullaby Of The Leaves(木の葉の子守歌)」。
なるほど、「Lullaby Of The Leaves」は、Joe Passのアルバムにも入っている。
では、なぜワケニウスは、この「Lullaby Of The Leaves」で二人にトリビュートしようと思ったのだろうか。演奏を聴いてみたが、とくにジャンゴのフレーズが潜んでいるようには聞こえず、ちょっとわからなかった…まあ、そもそも音楽をささげることがトリビュートだから、そこまで考えることはないのかな。