フリー 〜〈無料〉からお金を生みだす新戦略 （Chris Anderson著、高橋則明訳）

フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略

IT周辺のコンテンツやらツールは、なんでこんなにも無料ばかりなのか。なのにどうして巨大企業と化してもうけているのだろう。ITにかかわっている人には、興味深い話が事例とともにまとめられているのが、この本だ。分厚くてみるだけで萎える本だが、プロローグに大好きなモンティ・パイソンのフリービジネス事例が出てきたため、読む気力がわいてきた。

メモ
●フリーは、直接の収入を放棄するかわりに、広く潜在顧客をさがしてくれる
●デジタル市場は、ほとんどの場合フリーが選択肢として存在する
●競争社会において、価格は限界費用まで下落する
●オンライン世代で育ってきた人とそうでない人では、プライバシーの概念がすでに違っている
●価値の物差しは金銭だけではなく、注目（トラフィック）と評判（リンク）
●真のフリーは革新をうながす

物流コストがほぼかからないIT世界では、フリーをうまく使うことでビジネスチャンスになる、ということだよな。ただし、「消費者が好きになる製品を開発するだけではなく、消費者がお金を払いたいと思わせなければ」、商売にはならない、というわけだ。無料ツールを使うときに、今後ますます考えることが増えそうだ。