游無(ゆうむ)の「ごりやく民俗講座」@新宿・荒木町

毎月第二金曜日に表題のイベントをやるときいて、出かけてみることにした。もともといろいろな国の文化や習俗に興味があったが、お祭りにかかわるようになってから、日本の習俗ももっと知りたいなぁと思っていたのだ。ちょうどいい機会ではないか。しかも、お酒飲みながらゆるりゆるりと話をきけるのがいい。

こちらが、講師をされていた川副秀樹氏の告知Webサイト。
http://www.zoeji.com/04topic/04topic08.html

初日は「家の中の神さまと産神・子安さま」というタイトルのもと、箒の神様、トイレの神様、キッチンの神様の話をきいた。

そもそも、箒の神様・厠(かわや)の神様、山の神様、この3セットが、お産に欠かせない神様らしい。そして日本人は、安産を願って、家の中にいるいろいろなものを神様とし、祈ったり祀ったりしているようだ。

たとえば、箒の神様。よく「箒を粗末にするな」「またいではいけない」なんていうが、実際に安産を願って箒を借りて、願いが叶ったら箒を倍にして返す…なんていう神社もあるとか。厠の神様というのもいて、これはトイレが異界の入り口であるとの考えから、安産や赤ん坊の健やかな成長を祈る場所となったようだ。

また、子安様という安産の神様には「底なしのひしゃく」を備えるという習慣があり、これは、水が抜けるが如く、子も楽に生み落ちることを願ってのこと。

あとは、竈の神様の話。家を守る神様で、なんだか濃い南方系の顔をしている。仏教では三宝荒神、神道では3人の神様に見立てて竈を祀るらしい。竈神が誕生した由来もちゃんとあるのだが、この竈の神様と類似したものがベトナムにもあったそうだ。そしておなじみの「ひょっとこ」も、「火男」からきたとかで、竈に欠かせない火を守る役割を担っていたというのを初めて知った。ほお、その顔でねぇ。

ゆるーく話をきいていたので、私が正確に理解したかどうかは甚だ疑問。一番印象的だったのは「神様は自分でつくるものであり、必要に応じて呼べばいいのだ」「必要な神様は自分で呼び込め」というお話。安全の神様の祀り方なんて、語呂合わせというかほとんどうまい洒落みたいになっているが、言霊の力で願いを現実のものにしていく力を得る。要は気の持ちようなんだろう。こういう宗教観が自分の身の丈にあっているような気がした。

この講座じゃ、最後本当にごりやくグッズを作ってしまう。今回は「万能御幣」という小さな幣(ぬさ)。神主さんが持っている、アレだ。

これが、自分でいうのもなんだけれど、本当に下手で。折り方が雑なのか。意図せずアシンメトリーだし…。ま、自分で作り出したことに意義があるということでよしとしよう。