半落ち

佐々部清監督、2004年、日本


元警察官の梶聡一郎が、妻殺しを自首してきた。しかし、どうしても口を割らない「空白の二日間」がある。それはなぜなのか。「死に場所を求めてさまよっていたのだ」という梶の自白により、一度はコトがまるく収まったようにみえたが、その自白が嘘であることを見抜いた検察や、真実を暴こうとする新聞記者により、空白の二日間の真実が明らかになりそうになる。そこには、アルツハイマーになった妻の言動や、骨髄移植ができずに亡くなった息子に大きな関係があった。

だいぶ前に小説を読んで感銘を受けた記憶があるが、小説と映画にどういう違いがあったのかまで解明するには至らなかった。しかし原作者の横山秀夫が新聞記者の役だろうか、劇中で傍聴席に座っているのがみえたので、きっと映画の仕上がりにも満足したのだろうな。
「あなたは誰のために生きていますか?」という問いかけが随所で用いられており、それが妙にグッとくる映画でもあった。心優しい人の人生というのはこんなにも切ないものなんだなぁ…。