アイルランドのマヌーシュ・ジャズフェス、DjangoSurLennon Festival 2019。

アイルランドの北西部(だけれども北アイルランドではない)にあるドネゴール(Donegal) というカウンティにある町、Rameltonラメルトン。読み方があっているかもよくわからないしまったくピンとこないが、この町にも2015年から開催されている、ジャンゴ・ラインハルトの音楽に特化したジャズフェスティバルがある。その名も、”DjangoSurLennon”。単語の間にスペースがないので一瞬何のことやらわからないが、もしやレノンってぇのは、かの有名なジョン・レノンから来ているのかと思いきや、この町に流れているRiver Lennonという川があるそうで、たぶんそこから来ていることが想像される。いってみれば、「レノン川のほとりで(sur)ジャンゴ」みたいな感じ?

この発想に至ったのは、地元のマヌーシュ・ジャズバンドであるLa Pompeのメンバー。この音楽の世界でもっとも有名な、サモワのジャンゴフェスは、 Samois-sur-Seineと、セーヌ川沿いで行われているので、こちらは地元のレノン川をもじってフェスを名付けたそう。バンドメンバーは、地元のディープなジャンゴファンで、ギターも弾けるという Donal Caseyと組んで、このフェスを企画してきた。2019年は、Paulus Schäfer , Mathieu Châtelain. Fapy Lafertin and Tcha Limberger Ensemble, Mozes Rosenberg, Sani Van Mullemと、一流どころが参加していて驚く。そして、一部ミュージシャンはマスタークラスまで担当するのだから、いかに贅沢かということがわかる。
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この贅沢な出演者たちの演奏動画はこちら。Tcha Limbergerの歌声、(しかも途中バイオリン弾きながらスキャットしている)、なんだか新鮮だな。

それにしても、フランスや、ドイツ、オランダやベルギーでジャンゴの音楽が盛んなのはわかるが、なぜアイルランド、しかも北西部?と疑問だった。でも、思い出した。アイルランドには、伝統音楽にアイリッシュフィドルがあるではないか。実際、La Pompeのメンバーで、このフェスの発起人でもあるマーティン・マッギンリーMartin McGinley は、アイリッシュフィドルの奏者でもあるそうだ。

アイルランドでは、パブに行くと夜みんなで踊ったりするときいたが、フェスの期間中、この町のパブはますます盛り上がっているのではないだろうか。このフェス、毎年9月に開催されるようだが、来年の出演者も楽しみ。