北京に存在する56民族(漢族+55の少数民族)の暮らしを紹介するテーマパークに行ってみた。入場料は90元と、中国の人にはちょっとお高い領域だ。
北園と南園に分かれた園内には、各民族の文化的特徴を盛り込んだ家が点在しており、暮らしぶりをのぞくことができる。また中国に有名な景観も至るところで再現されているようだ。いや、有名なものだけでなく、典型的な風景も造り込んであるようだ。
哀しいかな、展示を観るにつれ、民族間の力関係も浮き彫りになってくる。予算配分が展示に反映されているというべきか。たとえば、オロチョン族あたりは、みずぼらしいテントが2つと、アヤシイ英語をつかった手書きの説明看板が立っているのみ。説明員などの用意はない。満族は、やたら大きな建物に、自民族の発展の歴史や、自分たちの文化がいかに優れていたかを滔々と語ったパネルが、愛新覚羅溥儀(清朝最後の皇帝)のブロマイドとともに高々と掲げられている。説明員はおらず、外観も殺風景なのに、かなり自慢気な展示内容だ。もっとも、この展示内容のバラバラ感がこの国っぽい。
観た中で、比較的規模が大きかったのは、チベット族のエリアだ。政治的配慮なのだろうか。大昭寺も再現されているし、パビリオン付近の風景が確実にチベット化している。
今回は北園の一部しかみていないが、本格的に園内を満喫するなら、1日はほしいところだ。民族合同舞踊ステージなどのイベントもあって、けっこう楽しめるので、また来たいと思った。