- 作者: さだまさし
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2013/06/06
- メディア: 文庫
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たぶん彼のお父様はある意味名物だったんだろう、有名歌手の父として。その彼が、病床についた。さだは全国ツアーの合間をぬって、父のお見舞いに赴く。そして、彼との思い出をかみしめながら、過去を振り返っていくのだった。長崎が地元だったさだの父親はカステラが好きだった。破天荒で潔く、ユーモアを忘れず、曲がったことは大嫌いだった父親とカステラにまつわる話、家族は苦労したものの、みんなには、(それこそや●ざさんにまで)愛された父親との思い出がつづられている。
最期、父親に宛てられた電報の長い文面に、父親とのエピソードが書かれている。その中で、ある話とともに「それがあなたの人柄でした。」と書かれていた。そんなインパクトのあるエピソードを残せる人の偉大さを感じた。私は今までの人生で、そんなに素敵な面を見せたことはあるだろうか。人の度量の大きさを見せるような…。そして、親をこんなに穏やかにおくることはできるだろうか。
年末年始、老いていく親と過ごしながら、いろいろなことを考えさせられた。