台湾に旅すると一度は夜市などで目にするのが「オーギョーチ」だろう。これは、アイギョクシ(愛玉子)というイチジク属の植物の種を水に揉んでつくる、いってみればゼリーみたいなものだ。種を水の中で揉むことでペクチンが出てくるので、加熱などしなくても自然にゼリー状になってくれる。これにレモンシロップ等をかけて食べる。
これが好きすぎて、「いつか家でつくってやろう」とばかり、昔台湾に行った折に愛玉子DIYセットを購入したのだった。
このキットの中には、愛玉子の種と、コットンの袋(紐つき)が入っている。まずは種を軽くすすいでから、この袋の中につめてきっちりとその口を紐でしばる。次に水。これが問題だ。説明書には「ミネラルウォーター」が指定されているが、ネットをみていると「硬水がよい」「水道水なら湯冷ましを作って利用せよ」などと書かれている。「軟水はダメだ」とも。我が家にあるのは「温泉水」のみ。これは一体どうなんだ...結局、温泉水で湯冷ましを作り、指示されたどおりやってみた。水1200cc程度を入れたボールで、愛玉子入りの袋を揉む。
すると、なんだか粘力のある茶色いものが出てきた。このコロナの時代に、これから食べようという液体に素手を突っ込んでいることに少し違和感が。他にやり方はないのかしら。
10分ほど揉んでから常温で1時間放置したのだが、なんとびっくり、あまり固まらないのだ。もしかして失敗か。私の手の油が凝固を妨げたのだろうか。焦って冷蔵庫に入れて放置したりいろいろやったのだが、結局ゲル状から脱却できなかった。
なんというかウィダーinゼリーとかってこんな感じじゃないかな。一方で、完成写真をみると、ちゃんと角ができるくらいの塊具合になっている。ということはやはり失敗なんだろうか。今すぐ台湾に飛んで確認したい気分だ。
シロップは、レモンの氷砂糖付けから出てきた液体に蜂蜜を混ぜたものを使用したのだが、これが美味しかった。こんなドロドロでも、どうにかなるんだな。一つ問題があったとしたら、冬のデザートではない、ということくらいだろうか。オーギョーチーを食べるのは、暑いくらいの気候がちょうどいいね。
次回は、コントレックスを使い、夏場に作ってみたいと思っている。