"Samois sur Suisse" 〜スイスのジュネーブで開催されたマヌーシュ・ジャズ・フェスティバル

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サモワ-シュール-....という単語を見たら、その後にはなんという単語がくるだろうか。
はじめて "Samois sur Suisse"という字面をみた時から、これは絶対にマヌーシュ・ジャズ・フェスティバルだろうという感覚があった。なぜなら、"Samois sur..."ときたら、"Seine"、つまり、2015年まで30年以上もの間、毎年6月にジャンゴ・ラインハルト・フェスティバルが行われていた、ジャンゴ・ラインハルトが余生を過ごした土地であり、かつマヌーシュ・ジャズの聖地だからだ。明らかにSamois のイベントへのオマージュと思われるイベント名が示すとおり、やはりこれはマヌーシュ・ジャズイベントであった。開催地はスイスのジュネーブにある、Auberge des Vergersという小さな宿泊施設付きイベント会場だ。

出演者をみると納得の出演者たちだ。ヴァイオリンのフローラン・ニクレスクFlorin Niculescuにギターのクリスチャン・エスクーデChristian Escoudé 、それにギターのセバスチャン・ジニオSébastien Giniaux あたりのメジャーどころ。マヌーシュ・ジャズ・バンドのTcha Badjoのメンバーである、ギターのダミアン・ラヴァッスールDamien Levasseurとコントラバスのジャン・バティスト=ゲリエールJB Guerrierもセバスチャンのバンドに加わっている。プログラムは、ダミアンによるワークショップ「伴奏者として、そしてソロとしてのリズムギターを極める(Perfectionnement rythmique en accompagnement et solo)」とか、フローランとセバスチャンによる"Django et Stéphane" と題されたマスタークラスも。こんな豪華なプログラムが、1イベント参加につき15-20スイスフランと、だいたい3,000円程度だというのだから良心的だといえる。

こちらは、イベント会場だったAuberge des Vergersのアカウントで公開されている、セバスチャン・ジニオ・クアルテットのライブの様子だ。2時間40分もの映像をそのまま公開してくれるとはありがたい。本イベントの開催が第一回ということは、来年以降も続くのだろうか。続くといいな。
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