カリフォルニア日系人強制収容所(白井昇)


1981年に河出書房から出版された本で、著者は広島生まれの日本人。1937年に渡米して日系2世と結婚し、戦時中にツールレークの収容所に抑留されていたらしい。

いわゆるInternment of Japanese Americansの話は、英語で書かれているものが大部分なので、まさかこうして日本人による日本語の手記があると思っていなかった。また、収容所から日本への帰国申請をしていた著者のような立場の人、つまり日系人社会を二分したという忠誠心テストを受ける必要がなかった人がいるというのも知らなかった。
なんとなく著書の目線が上から…というか当事者目線ではない。戦時中の収容所の話もどちらかといえばあけすけな感じなのが印象的だった。
「ヒマをもたすと芸術的になる日本人」という項目には、収容所内の人たちが工夫をして貝殻アートや木製のコサージュを作っていた話が書かれていた。こうした収容所アートの展覧会、都内でみたことあったよな…。