ユダヤ人を救った動物園 〜アントニーナが愛した命〜


The Zookeeper's Wife、ニキ・カーロ監督、2017年、アメリカ&イギリス

第二次世界大戦中にポーランドユダヤ人を救った動物園園長の物語。主人公アントニーナが女性であるせいか、アントニーナに焦点が当たりがちだが、実際はアントニーナと夫のヤン、ジャビンスキ夫妻の功績により、300名以上のユダヤ人が救われたという。ドイツ軍が厳しく目を光らせるなか、動物園という広大な敷地でユダヤ人をかくまった二人の勇気がすごい。とくに、下宿で殺されたローザ・アンゼロヴナ母子の死を目の当たりにした時などは、恐ろしくて仕方なかっただろうな。

それにしても皮肉なのは、ドイツ軍がユダヤ人を劣勢民族と位置づけ排斥していた一方で、絶滅しそうなオーロックス(牛の一種で、バイソンと似ているらしい)を救おう、復活させようという動きがあった、というところかな…そこに優生か否かの違いなどないと思うのだが。